原料商社でもあるOEMメーカー・ネオサークル、価格を抑えながらこだわりやストーリー性をアピールできる商品開発の強みに迫ります
コロナ禍で免疫アップや手軽な健康づくりをサポートしてくれるサプリメント・健康食品が人気に。次々と新しく健康食品分野への参入が増え、差別化や消費者へのアピールが難しくなってきています。
今回は原料商社をグループ会社に持ち、トレーサービリティやエビデンスがしっかりとしたOEMメーカーとして注目を集める「株式会社ネオサークル」の営業企画担当である櫻田尚幸(さくらだ なおゆき)さんにインタビュー。
櫻田さんは元・自動車メーカーの衝突安全部門で研究職だったというキャリアの持ち主。まったく方向性の異なる健康食品業界へ転身した方です。
薬機法(健康増進法)により、医薬的な効果効能をうたうことが難しい健康食品・サプリメントで、どのように差別化を図っていったらよいのか。
最近注目が集まるSDGsや地産地消などをしっかりアピールできる、魅力的なオリジナル商品を開発したいという方必見です。
「ふる里食効研究所」として原料の良さをアピールできるOEMメーカー・ネオサークル
株式会社ネオサークルはOEMメーカーであると同時に、「ふる里食効研究所」として原材料の流通を行う原料商社でもあります。
日本各地の生産者を訪ねて“食効のある素材”を探し、製品化していくのが活動理念。 生産者に寄り添い、素材の良さをより多くの方に知っていただくための広報活動も積極的に手掛けています。
例えばまだあまり知られていないご当地食材を有効活用したい、そのままでは廃棄されてしまうような食材を健康食品・サプリメントとして蘇らせたい、と考えている場合、大変頼りになる会社です。
必要に応じて、生産物の製法のアドバイス、各分野の専門家と共同研究など一歩踏み込んだサポートが可能。
エビデンスやトレーサビリティ、安心・安全な国産素材を使った健康食品・サプリメントは、効果・効能とは別の角度から優位性をアピールできるのではないでしょうか。
原料持ち込み相談も対応しているので、ご当地素材を使った新しいサプリメント・健康食品を開発したいと考えている自治体や事業者の方も、ぜひ気軽に相談してみましょう。
栽培地の視察や生産者からのメッセージなど、ストーリー性のある商品開発が強み
「ふる里食効研究所」が扱う原材料は、栽培地や生産者とのしっかりとした繋がりで開発されたもの。同じ素材を扱っているものでも、産地での栽培の様子や生産者からのメッセージなど、インパクトのあるアピールが可能です。
もちろん、実際に栽培地の視察も可能。健康食品・サプリメントとして日常的に摂取するものですから、安全の見える化は重要なポイントになります。
地産地消をテーマにした商品なら、ご当地土産やふるさと納税など、さまざまな切り口で販路を広げることも可能。
エシカル消費に興味・関心の高い若い世代にも響くメッセージやストーリー性を持たせることができるのがネオサークルの強みといえるでしょう。
原料商社ならではのアドバンテージ、価格を抑えた商品開発が可能!
通常のOEMメーカーでは、原料を各商社から仕入れて商品企画・開発するのが一般的。もちろん、自社で開発したオリジナル原料を持っているところも多くありますが、基本的には必要なものをその都度仕入れて製造します。
ネオサークルの場合、OEMメーカーでありつつも、「ふる里食効研究所」という原料商社の面を持つので、仕入れにかかる中間マージンをカットすることが可能。栽培にこだわりを持つ国産素材を使いつつ、価格を抑えた製造ができるのも強みです。
さらに原料についての最新研究や情報ストックも豊富。原料の特徴や有益な組み合わせなども熟知しており、開発・製造までのスピードなど時間的なコストも削減することが可能です。
健康食品・サプリメントのOEMを小ロットからOK、在庫を抱えるリスクを低減
ネオサークルでは、ソフトカプセル・ハードカプセル・錠剤・タブレット・顆粒・粉末・ドリンク(液体)・ティーバック(健康茶など)・ゼリー・ペーストなど、さまざまな形態のサプリメント、健康食品製造に対応。
原料商社の強みを活かし、小ロットでも比較的低コストで高品質な製品を製造可能です。
コンセプトや使用する原材料によるものの、30万円以下の予算でも様々な提案をしてくれます。
企画・開発・製造までの平均的な期間は3~4か月ぐらい
サプリメント開発で気になるのは、どのぐらいで販売をスタートできるか。製品のコンセプトや使いたい原料、使用する包装資材などにもよるそうですが、だいたい3~4か月ぐらいを見ておくと良いそうです。
しかし、仕様によっては資材の納期が大幅に伸びてしまうこともあるため、販売までの時間を縮めたい場合は資材をどうするかの相談がマスト。実は製品づくりの中で最も調達に時間がかかるのが資材といわれるほど。多少割高になっても納期を早めたいなど、ぜひ相談してみましょう。
サプリメントや健康食品の中には味や香りがエンドユーザーのリピート率を左右するものもありますので、試作を複数回行うこともあります。こだわりがある場合は半年かけて開発した事例もあるそうです。
ただ開発まで時間をかければよいということでもなく、トレンドはどんどん変わっていきますので、開発から製造、販売までスピーディに進めていくというのも大切なポイントと覚えておきましょう。
企画から製品化まで、お客様のこだわりに寄り添った提案やサポートを行うネオサークル
ネオサークルでは可能な限り対面での商談を心がけているとのこと。
最近では建設業やIT企業、宿泊業など異業種からの参入や個人のお客様からの依頼が増えているものの、素材への知識不足やOEMについての理解などが追い付いていない方も多いといいます。
特に健康食品は薬機法があり、広告制作やパッケージの表示、販売方法などが難しい側面があるので、できるだけ丁寧な説明を心がけているそうです。
『個人の方では、セカンドキャリアや副業として健康食品・サプリメント開発を考える方が最近増えています。ご相談いただいたいずれの方々もヘルスケアの重要性をより一層感じられたことをきっかけにご相談されるケースが多いです。』と櫻田さん。
小ロットでも製造が可能なネオサークルですから、在庫を抱えるリスクをできる限り軽減し、新しいビジネス立ち上げの強いパートナーとなってくれそうですね。
ネオサークルが手がけている、最近注目を集めている原料4選!
株式会社ネオサークルの櫻田さんに、最近注目を集めているユニークな原料についてお伺いしました。展示会などでも相談が多かった原料ベスト4です。
廃棄されてきた梅の種を新素材に蘇らせた、和歌山県産「うめ種炭化粉末」
皮が薄く、種が小さく、果肉がやわらかい「南高梅(なんこうばい)」を加工する際、捨てられてきた種子を炭化させてパウダー状にした「うめ種炭粉末」です。
梅の最高級ブランドである南高梅は、和歌山県の中でも特に太平洋と紀州山地に抱かれたみなべ町が一大産地。全国で梅の生産高約6割が和歌山県といわれていますので、たくさんの種が廃棄されてきました。
中国では青梅を蒸してから炭化させた「烏梅(うばい)」と呼ばれる素材があります。紀元前2,800年頃に書かれたと伝わる中国最古の薬物書である「神農本草経」の中に登場するぐらい、古くから活用されてきました。
炭には吸着力があることが知られており、”食べる炭”は注目を集めています。ネオサークルの「うめ種炭粉末」は、生梅の種子を原料にしているため、塩分を含まないこと。食品から作られる炭パウダーなので安心感が高いのが特徴となっています。
スーパーフードとして人気、滋賀県産「有機モリンガ粉末」
「奇跡の木」とも呼ばれるモリンガは、インドを中心にした南アジアの地域やアフリカ・南米などが原産で日本では自生していない植物です。
インドの伝統医学「アーユルヴェーダ」で紀元前から幅広く利用されてきた植物で、葉や種子、根にいたるまでさまざまな形で食べられてきました。
モリンガが注目を集めているポイントは、ビタミンやカルシウム、ミネラルなどを豊富な栄養素をバランスよく含んでいるところ。スーパーフードとして人気が高まってきたことから沖縄などで栽培されるようになりました。
ネオサークルが提供するモリンガは、滋賀県で有機栽培されたもの。県内で育てられている近江牛などのたい肥などを使って生産しており、モリンガならではの栄養価の高さを安心して摂取できるのが魅力となっています。
島根県・島根大学医学部の共同開発で発見された桑の成分”Q3MG”含有「有機桑葉」
桑の葉は、古くから民間療法として取り入れられてきた素材。「神農本草経」にも登場する素材で滋養強壮などに活用されてきました。
日本最古の神話「秀真伝(ホツマツタエ)」という書物で煎じ薬として登場するなど、古くから活用されてきたことがうかがえます。
桑の葉は食物繊維やミネラル類、たんぱく質が豊富。特有成分としてDNJ(1-デオキシノジリマイシン)が含まれており、血糖値が気になる方から人気の高い素材です。
ネオサークルが扱う桑の葉は、島根県と島根大学医学部が共同開発で発見したフラボノイドの一種「Q3MG(ケルセチンマロニルグルコシド」が含まれていることが証明された高品質なもの。
パウダータイプにはデキストリン等の精製糖が未使用でノンカフェイン。青臭さが少なく、桑特有の水溶性成分だけではなく、食物繊維も無理なく摂取できる素材となっています。
機能性表示食品として活用可能な秋田県産「爛漫ギャバ粉末」
「GABA(ギャバ)」は、血圧の改善や中性脂肪の低減、ストレス緩和、睡眠の質改善などさまざまな効果を期待できる注目の成分。機能性表示食品の開発を考えている場合は、有益な成分となっています。
ネオサークルで提供する「爛漫ギャバ粉末」は、秋田県特産である清酒の製造工程中に発生する米ぬかを使用。植物性乳酸菌を使用して発酵させた“もろみ”を乾燥粉末化したもので、不溶性のため固形食品の添加に最適となっています。
サプリメントとしてはもちろん、クッキーなどの食品に混ぜて使うこともできるので、機能性スイーツなどにも応用できます。
最近の健康食品・サプリメント開発のキーワードは「アップサイクル」
SDGsが一般消費者にも浸透しつつあるこの頃。どの企業もリサイクルやリユース、無駄を出さないことへの意識が高まっています。
最近の相談で多いのは「アップサイクル」で健康食品・サプリメントを製造できないかということ。「アップサイクル」とは、元の製品をそのままの形で活かし、新しい製品を生み出すことをいいます。
古くからよく行われてきた「アップサイクル」としては、さとうきびの搾りかすを発酵させて、食物繊維として活用してきた事例などがありました。
リサイクルは一度「原料に戻し、それを元に新しい製品をつくること」。一度原料に戻す作業があるため、コストや手間、環境負荷がかかりやすいという側面も。
世界的にも「アップサイクル」はサステナブルなものづくりとして注目されています。以下、相談があった「アップサイクル」の事例です。
- 香川県:オリーブの廃棄部分(抽出エキスを化粧品やドリンク、ゼリーに)
- 愛媛県:みかんジュースとして搾った後の果皮(粉末にしてサプリメントやお菓子に)
- 和歌山県:加工過程で廃棄されてきた梅の種(炭化して健康食品や化粧品に)
「アップサイクル」とは、もとあった価値以上のものに蘇らせるという考え方。規格外農作物は、加工のプロセスで出る端材など、新しい発想で魅力的な商品に生まれ変わらせることができたら嬉しいですね。
ぜひ気軽に相談してみてはいかがでしょうか。
初めての健康食品・サプリメントOEMで決めておくべきことは?こんな相談では失敗する!
『人気の成分をあれもこれも使いたい、いろんな人に使ってもらえるようにマルチなコンセプトでというように、ターゲット層を広げ過ぎると数字につながりにくい傾向があります』と櫻田さん。
注目成分をあれもこれも入れました、どなたにでもおすすめしたい商品です、というように万人受けするようなものづくりは失敗しやすいパターン。
『また、販売促進に力を入れること、印象に残る広告制作ができるかどうかも鍵。売れるかどうかは商品のいい・悪いだけではなく、売り方も大切という側面があるからです』とおっしゃっていました。
それでは、どのように相談するのがベストなのでしょうか。
- 血糖値を上げない食前、食中に飲むドリンクをつくりたい
- 自然素材を使った安心、安全な栄養補助食品
- 腸内環境を整え、免疫アップをサポートするサプリメント
つまり、どのような人向け(ターゲット)の健康食品なのか。どんな目標を達成する商品(美容やダイエット、長寿、免疫アップなど)なのかを考えることが大切ということです。
成分や期待できる効能などはOEMメーカーの方がプロフェッショナル。今後、どのような成分が注目されるなどの情報にも通じています。
商品のディティールにこだわるのではなく、その商品を誰に届けたいのか、コンセプトを明確にするのが大切ということですね。
OEMメーカーと売れる商品を企画・開発するポイント
- 商品コンセプトを明確にしておく(誰に何のために開発する商品か)
- 流行の成分に惑わされない
- 広告宣伝を含め、どのように売るか、どこで売るか出口戦略をしっかり検討、「開発と広告宣伝は両輪で回す」こと
- OEMメーカーを信頼し、お互いにパートナーとしてのよい関係を築くこと
初めてのサプリメント・健康食品OEMを検討中という場合は、以下の記事もぜひ参考になさってください。
≫サプリメントの製造・販売には許可が必要?新規事業で健康食品販売したい
≫オリジナルサプリメントを開発・販売したい!OEMなら個人で起業可能、低価格で製造してくれるメーカーの選び方
OEMメーカー・ネオサークルにお任せするおすすめポイントは?
ネオサークルでは健康食品・サプリメントのOEM、原料開発も手掛けています。OEMをお願いする場合のおすすめポイントはどんなところでしょうか。
以下、その強みをまとめてみました。
- 原料商社の面も持つため、中間マージンのコストカットが可能
- 健康食品やサプリメントの原料についての知識や情報入手が早い
- 栽培方法にこだわった国産原料をお値打ち価格で使用できる
- 生産地や農作物の栽培状況などをアピールするなど、ストーリー性のある商品価格で差別化を図りやすい
- SDGsや「アップサイクル」による原料開発も可能
- 商品開発から製造、販売後も長くお付き合いできる親身なサポート
ネオサークルは、原料商社である「ふる里食効研究所」としての活動も行っています。原料である農作物を栽培する農家に寄り添い、トレサービリティやエビデンスのある商品開発を最も得意とするメーカー。
最近ではSDGsへの取り組み姿勢も商品選びの重要なポイントです。ネオサークルでは、地域活性化や廃棄ロスを低減するような、「アップサイクル」商品開発の実績が豊富。
ご当地素材を有効活用した新しい魅力を持つ商品開発で、あなたの町も元気にしてみてはいかがでしょうか。
■取材協力