化粧品OEMでオリジナリティを演出!化粧品容器の印刷方法とメリット・デメリットを解説

化粧品OEMでオリジナリティを演出!化粧品容器の印刷方法とメリット・デメリットを解説

化粧品OEMでオリジナルコスメを製造する場合、中身の設計や処方とともに大切なのが容器選びです。さらにブランドイメージや効果効能を視覚的に伝えるものとして、どのようなメッセージを印刷するのか。またはパッケージそのものをデザイン・演出するのか。

初めての場合、何をどこまで考えたらいいのか迷うことばかりですね。

平面に印刷するポスターやPOP、リーフレットなどとは異なり、化粧品ボトル(容器)は立体物であるゆえの注意点がいろいろあります。また中身の処方によっては、水に濡れても色落ちしない、アルコールなどで変色しないものなど、配慮が必要な場合も。

今回は化粧品をOEMで企画・製造する際に、容器に直接印刷する場合どのような手法があるのか、印刷以外の演出方法(ボトルそのものに着色する、シュリンクや外箱をつける)もご紹介していきます。

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OEMで化粧品を製造した場合、容器に表示しなければならない情報がある

化粧品の容器の素材は大きく分けて、プラスチックボトル、ガラス容器、金属容器、紙容器の4種類があります。本体に充填する中身の種類や処方内容、テクスチャー、使い勝手に応じて中蓋やキャップ、スプレー、ディスペンサー、ポンプなどがつけられて完成。

化粧品の中身がわかるように商品名や用途、効能、使い方を記載するのは必要として、他にも薬事法第61条にのっとった情報開示(成分名、使用期限、製造販売者名とその住所、ロット番号など)が必要です。

また販路や演出により、外箱に入れる、パッケージ包装するなどで中身が見えない場合は、薬事法で定められた内容表示をパッケージに記載しなければならない(薬事法第62条で準用する薬事法第51条)ので注意です。

薬事法では表示方法や効果・効能の表現方法など細かく定められています。素人ではわかりにくい点も多いと思いますので、化粧品OEMメーカーに相談に乗ってもらいながら進めていくのがベストです。

化粧品OEM製造で容器を魅力的に演出する方法は?

容器に最低限表示しなければならない情報の他に、その化粧品をより魅力的に演出するための仕掛けも重要です。商品名の見せ方、ロゴやイラストの演出、容器の色、インパクトのあるデザインなどなど。

容器は汎用性のあるものを選んだとしても文字のタイポグラフィや色使い、デザインにより、オリジナリティや物語を感じさせる演出が可能です。

実際に化粧品容器でよく選ばれている印刷方法や容器の加工方法には主に以下の3つのパターンがあります。

  • ・容器の表面に直接印刷する(シルク印刷やホットスタンプ、転写など)
  • ・容器や付属品を着色してから成形する、後から塗装する
  • ・容器にかぶせる(シュリンク)、ラベルシール張ることで演出する

それぞれの手法を細かくご紹介していきましょう。

容器の表面に直接印刷する手法は6種類!

実は化粧品容器に印刷する方法はいろいろあります。容器の素材やデザインしたい内容、演出方法で選択するのがポイント。以下、印刷方法と選び方をご紹介しましょう。

【1】化粧品容器で最もポピュラーなシルクスクリーン印刷

かつては本物の絹(シルク)を使用して行ったことからその名前がついている印刷方法。

まず枠に布(現在はナイロンなどの合成繊維)を張った“シルク版”を作ります。
その版上に、インクが通過できる穴とできない場所を設けて製版することで印刷(孔版印刷ともいいます)する仕組み。下地を完全にインクで覆うことができるので、オリジナルTシャツ制作や看板、スクラッチくじの銀色部分などによく利用されている手法です。

少し凹凸感のある仕上がりで耐候性(変形、変色、劣化を起こしにくい性質)に優れているのが特徴。

複数の色を印刷したい場合、1色印刷して乾燥をさせ、別の色を刷るを繰り返す印刷手法なので、色数分のシルク版が必要になります。このため印刷に時間がかかること、滑らかなグラデーションの表現や色の合成はできません。

    <シルクスクリーン印刷のメリット>

  • ・容器の素材を選ばない
  • ・インクの種類が豊富で素材に合わせたものを選ぶことができる
  • ・インクをしっかり乗せることができるので、使用しているうちに文字がかすれたりすることが少ない
  • ・インクが盛り上がったような“厚盛り”印刷ができるのでインパクトのある表現が可能

    <シルクスクリーン印刷のデメリット>

  • ・値段が高め
  • ・印刷に少し時間がかかる
  • ・多色刷りをするとズレやすい
  • ・小さい文字や細い線はつぶれやすい
  • ・金銀など輝きを表現するような色が苦手

【2】チューブタイプの化粧品容器によく採用されるオフセット印刷

パンフレットやグラビア雑誌などでよく使われる手法。凹凸面のない平版(薄いアルミ製版)に感光剤を塗り、光を当てて印刷したい文字や画像を現像します。

版には水を乗せやすい新水層と新油層の2種類の場所ができることから、そこに油性のインクをのせて印刷します。印刷版についたインクは、樹脂やゴム製の“ブランケット“に一度転写(OFF)してから容器に印刷(SET)。この独特な行程からオフセット印刷と名付けられました。

この手法だと版が直接印刷用紙に触れないため、大量印刷しても摩耗しにくく、スピーディで鮮明な仕上がりにできるのがポイント。また、基本色(シアン・マゼンダ・イエロー・ブラック)の4版を重ねることでフルカラー印刷できます。

シルクスクリーン印刷では再現しにくかった美しいグラデーションや、細かな文字、繊細なデザインを表現することが可能。多色刷りが一つの工程でできるので、カラフルな仕上がりも自由自在です。

詰め替え用の紙容器や外箱パッケージをつける場合は、オフセット印刷がポピュラーです。

プラスチック素材を使用した化粧品容器の場合、UV(=紫外線)硬化型のインクを使ったオフセット印刷(=UV印刷)を行うのが主流。瞬時に乾くので、大量生産に向いています。

    <オフセット印刷のメリット>

  • ・短時間で大量印刷が可能
  • ・ロット数が増えるほど低コストに
  • ・色の掛け合わせができるのでカラフルな色表現
  • ・写真をプリントすることも可能で、細かで繊細なデザインの再現性に優れている

    <オフセット印刷のデメリット>

  • ・小ロットだと割高になる
  • ・インクが薄いため、濃い色の容器だと発色が悪くなる可能性あり
  • ・素材によってはインクのにじみやこすれたりする場合も
  • ・厚みのあるものや立体物には直接印刷できない

【3】製品の製造年月日などを表示するのに便利なインクジェット印刷

最近では家庭用の印刷機でも使われている印刷手法。ノズルから直接インクを噴射し、帯電させて容器上に留める方式で、特に平面な部位へ印字する場合、再現精度が高いのが特徴です。

パソコンからのデータから直接印刷できるため版を作成する必要がなくスピーディな仕上がり。多色刷りもでき、速乾性インクのため、繰り返しインクを乗せることで立体感を出すこともできます。

印刷する面が広くなると、一度に印刷できる容器の数が少なくなるのが欠点。

    <インクジェット印刷のメリット>

  • ・スタンプなどでは印字が難しい湾曲している容器の側面や底面への印字が可能
  • ・同じ形状で平面なキャップの天面など、小ロット印刷に向いている
  • ・フルカラーでの表現が可能
  • ・オフセット印刷のように版代がかからない

    <インクジェット印刷のデメリット>

  • ・大量生産に適した印刷機がまだない
  • ・一度に広い面に印刷する場合は割高になる
  • ・繊細なデザイン表現には向いていない

【4】鮮やかな発色でグラデーションも可能な転写印刷

転写紙に印刷したものに熱を加えてプレスすることで、印刷する手法です。タペストリーやTシャツ、布などによく用いられています。

シルクスクリーン印刷やインクジェット印刷は容器に直接インクをプリントしますが、紙に印刷したものを圧着するため、にじんだりぼやけたりせず、きれいに仕上がるのが特徴。写真やイラストもそのままのイメージで印刷することができます。

最近ではデジタル転写ですので、版を作る必要がなくコストダウンが可能。

    <転写印刷のメリット>

  • ・耐久性が高く、色落ちやひび割れがない
  • ・フルカラーの表現が可能で写真やイラストも美しい仕上がり
  • ・小ロットでもコストを抑えることができる

    <転写印刷のデメリット>

  • ・制作に時間がかかる
  • ・プレスの跡が残る場合がある
  • ・素材によっては印刷できない場合がある

【5】金や銀などの箔押しで高級感を演出できるホットスタンプ印刷

ホットスタンプ印刷とは、箔押し印刷とも呼ばれ、金箔や銀箔などを熱で温め、上からプレスすることで容器に転写することができます。高級な化粧品でロゴマークが金色に輝いているような演出は、このホットスタンプ印刷によるものです。

クレジットカードや商品券、お札などに入れられているホログラムもホットスタンプ印刷によるもの。金属のような光沢・パール感の表現・マットな質感など選べるので、さまざまな演出が可能です。

紙にも箔押し加工はできるので、高級感のある外箱をつくりたい場合にワンポイントで取り入れてもいいでしょう。

    <ホットスタンプ印刷のメリット>

  • ・他の印刷方法では表現できない金属そのものの輝きや光沢、質感を再現できる
  • ・高級感や特別感を演出できる

    <ホットスタンプ印刷のデメリット>

  • ・値段が高めで加工に少し時間がかかる
  • ・箔の色バリエーションに制限がある
  • ・広範囲のベタ(塗りつぶし)、グラデーション表現はできない
  • ・細い線や文字だとつぶれる場合がある

【6】複雑な形状や曲面へワンポイント印刷する場合にぴったりなパッド印刷

パッド印刷とは、インクをシリコン製のパッド上に転写し、スタンプのように押し付けて印刷する方法です。「タンポ印刷」と呼ばれることもあります。溶剤で希釈された油性インクを使用するため、容器の素材を選ばずに印刷可能。

よくゴルフボールにロゴが印刷されていますが、それを可能にしたのがパッド印刷です。

ほとんどの形状へ印刷することができるので、複雑な形のオリジナル容器や曲線を描くキャップの天面などにも対応可能。ただし、印刷面積が広い場合は不向きです。

    <パッド印刷のメリット>

  • ・キャップの天面などにロゴマークやワンポイントデザインを施すのに最適
  • ・平面はもちろん、複雑な形状のものにも印刷可能
  • ・プラスチックやガラス、金属、皮などさまざまな素材に印刷できる

    <パッド印刷のデメリット>

  • ・シルクスクリーン印刷に比べインクの厚みがやや薄くなる
  • ・一度に広い面に印刷する場合に割高になる
  • ・繊細なデザイン表現には向いていない
  • ・印刷機が大きく高価なため、対応できる会社が限られる

化粧品容器に直接印刷する以外の演出方法7選!

化粧品のブランドイメージを演出するにあたり、ボトルそのものに色を付ける(着色)、塗装する、ラミネート、シュリンクフィルム加工するなども可能です。高価格帯のものなので、高級感を持たせたいけれど、小ロットでも比較的コストを抑えた演出をしたいときにおすすめの方法などをご紹介しましょう。

【1】化粧品原料素材やブランドカラーをボトルで表現「着色」

予算が潤沢であれば、ゼロから容器を開発して、原料そのものに色を練り込んで色付けすることは可能です。しかし、化粧品OEMの場合、初めから大量生産するというケースはあまりないのでは?

小ロットで小さくスタートさせたい場合は、既存のガラス容器や樹脂容器の表面に着色顔料を吹き付けて、色付けする方法が手軽でしょう。

透明から不透明、パール、メタリックなど様々な色が選べます。グラデーションにすることもできるので好みの印象に仕上げることが可能。

例えば、化粧品素材にご当地素材の「お茶」を使用している場合はグリーンに塗る。美白効果を感じさせたいならパールホワイトにするなど、いろいろ検討してみてはいかがでしょうか。

【2】マットな質感でぬくもりのある印象を与える「フロスト塗装」

化粧品の容器にガラス瓶を選択した場合は、曇りガラスのようなマットな質感にするフロスト塗装が可能です。着色塗装の前処理としても行われることもあります。

容器を手に取ったときの手触りがやわらかで、温もりのある印象に仕上がり。グラデーションをつける、パール調にする、メタリック調にするなどさまざまな演出が可能です。

【3】メタリックな光沢感でゴージャスな印象に「真空蒸着」「金冠」

化粧品容器の表面に金メッキや銀メッキを施すことができる手法が「真空蒸着」です。金属を真空状態の中で加熱して気化させ、被膜として容器の表面をコーティング。広い範囲にむらなく均一に施工できます。

ホットスタンプでは難しい曲面にもきれい加工でき、樹脂やガラスなどさまざまな素材に施すことができます。

「金冠」はキャップやディスペンサーなどを装飾する技術としてよく使われてきた手法。高級感を演出したい場合に行われます。

最近ではアルミ蒸着技術やホットスタンプの手法を使うことが増えているようです。

【4】チューブタイプの化粧品容器をおしゃれに演出できる「ラミネート」加工

白いチューブに文字を印刷するだけでは味気ない。そんなときはラミネート加工でシルバーやゴールドカラーに仕上げることもできます。

ラミネート用ポリエチレンフィルム(PE)と容器の間にアルミ箔や好みのメタリックカラー箔などを入れて接着。ラミネートフィルムの保護効果で容器を美しく保つことができるメリットもあります。

紙容器の場合、ラミネート加工することで強度がアップ。多少の水濡れなどにもよれたりしません。

【5】特殊な形状の容器や大きいボトルの演出に人気上昇中「シュリンク」加工

ボトルに施したいデザインをあらかじめシュリンク用フィルム(ポリエステルやポリエチレンなど)に印刷。容器にフィルムを被せ、熱を加えることでフィルムが縮み、容器にぴったりと張り付ける方法です。

TBSテレビ「がっちりマンデー」で紹介された日本テクノロジーソリューションが開発した「熱旋風式シュリンク装置トルネード」は、どんな素材・形の容器でもシワ・隙間なくきれいにぴったりとフィルムがつけられると評判に。化粧品メーカーやトイレタリー関連企業などから視察が殺到しているそうです。

フルカラー印刷をボトル全面に施すこともできる上、パソコンからデータを直接プリンタに送り印刷するオンデマンド印刷で生産できるので、小ロットでもコストを抑えることが可能です。

【6】容器に直接印刷するよりもコストダウンが可能「ラベル印刷」加工

化粧品OEMを小ロット、低コストでスタートさせたい場合は、ラベル加工で対応するというのもおすすめです。水や摩擦などに強いシール素材もあるので、シャンプーや洗顔料など水回りに置く化粧品でも安心。

粘着力が強いものからきれいにはがせるタイプなど、リサイクル方法に合わせて選択できます。オフセット印刷が主流なのでフルカラーで好みのデザインを表現することができます。

【7】低価格で小ロット・独自性のある演出が可能な「インモールドラベル成形」

「インモールドラベル成形」とは、金型の中に樹脂と印刷したラベルをセットし、熱を加えることで容器と一体化された状態で成形する加工法のことです。見た目は容器に直接印刷したように見えるのが特徴です。

紙に印刷できるデザインであれば、思い通りの装飾ができるのも「インモールドラベル成形」の魅力。

三洋化学工業の提供している「EUREKA(エウレカ)」は、二層になったプラスチック樹脂の間に印刷したフィルムを挟み込むことができる広口容器(シャータイプの容器)。オリジナルでインモールドラベル成形容器を開発するとコストがかかりますが、「EUREKA(エウレカ)」は規格品ですので大幅なコストダウンが可能です。

小ロットでもコストを抑えつつ、独自性のあるデザインを求めている場合はぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

化粧品OEMでオリジナリティを演出する、ボトル容器への印刷方法や加工についてまとめ

オリジナルコスメを企画・開発する場合、容器やパッケージデザインについて頭を悩ませている事業者さんも多いと思います。規格品のボトルを使用すればコストダウンが可能な反面、ブランドイメージや独自性を出しにくいという問題も。また、小ロットの場合は印刷コストもばかになりません。

売れるオリジナルコスメを企画・開発する上で容器選びやその演出は重要!薬事法上、最低限表示しなければならない文字以外に、ロゴや装飾、色使い一つで「売れる・売れない」を大きく作用しかねません。

リピート購入してもらうためにも、商品名やブランド名、メーカーを一目で印象付けるパッケージをぜひ開発しましょう。

◆容器の素材で選ぶ印刷方法まとめ◆

    【ガラス容器におすすめ】

  • ・シルクスクリーン印刷
  • ・インクジェット印刷:使用期限やロット番号などを入れる
  • ・ホットスタンプ(箔押し)印刷:ロゴマークや高級感の演出
  • ・パッド印刷:ロゴマークやワンポイントデザインに
  • ・着色やフロスト塗装
  • ・ラベルシール加工

    【プラスチックボトルにおすすめ】

  • ・シルクスクリーン印刷
  • ・インクジェット印刷
  • ・転写印刷
  • ・パッド印刷:ロゴマークやワンポイントデザインに
  • ・着色塗装
  • ・ラミネート加工
  • ・シュリンク加工
  • ・ラベルシール加工

    【ラミネートチューブにおすすめ】

  • ・オフセット印刷
  • ・インクジェット印刷
  • ・転写印刷
  • ・パッド印刷:ロゴマークやワンポイントデザインに
  • ・着色塗装
  • ・ラミネート加工
  • ・シュリンク加工
  • ・ラベルシール加工

    【金属容器におすすめ】

  • ・シルクスクリーン印刷
  • ・インクジェット印刷
  • ・転写印刷
  • ・ラベルシール加工

    【紙容器におすすめ】

  • ・オフセット印刷
  • ・インクジェット印刷
  • ・転写印刷
  • ・ラミネート加工

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ロット数や予算に合わせて、ベストな方法を提案してくれますので、ぜひ化粧品OEMメーカーと二人三脚で「売れるオリジナルコスメ」を実現してくださいね。