【化粧品OEMに欠かせない基礎知識7】特に石けんなどで使われる「キレート(金属封鎖)剤」について解説

【化粧品OEMに欠かせない基礎知識7】特に石けんなどで使われる「キレート(金属封鎖)剤」について解説

石けんの成分表示を見るとよく見かける「エデト酸塩」という成分。この成分のことを「キレート剤」といいます。石けんにキレート剤を配合するのは、主に界面活性剤の働きを高め、高い洗浄力を維持するのが目的です。

この他にも、化粧品の品質を劣化させる金属イオンから守る働きも持つ、安定化剤としても使用されます。今回はちょっと役割がわかりにくいキレート剤について解説していきます。

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化粧品にキレート(金属封鎖)剤が必要な理由

化粧品にキレート剤が必要な理由

キレートという言葉は、ラテン語の「Chela(キーラ=カニのはさみ)」に由来します。キレート剤が持つ分子が金属イオンを挟むように結合する様子が、カニがはさみで何かをつかむ様子に似ていることからその名がつけられたといいます。

水の中に含まれるミネラル分が多いと石けんの泡立ちが悪くなります。ヨーロッパの水の多くは硬水で、日本から持っていったシャンプーなどが泡立たないという経験をしたことがある方もいらっしゃることでしょう。

カルシウムや鉄といったミネラル分は金属イオンとして水の中に存在します。キレート剤はこういった金属イオンと結合。以下のようなメリットを生みます。

  • ●水に溶けにくい性質を持つ成分(リン酸カルシウムや硫酸マグネシウムなど)を溶かしやすくする
  • ●カルシウムやマグネシウム、鉄、銅などプラスの電荷数が大きい多価の金属イオンをキレート剤が取り込み、界面活性剤の働きを邪魔しないようにする(金属封鎖作用)
  • ●金属イオンが油脂の酸化を促したり、その他の成分と結合して作用を邪魔するのを抑える

 

つまり、キレート剤は化粧品の劣化や品質低下を防ぐために重要な働きをする成分といえます。

化粧品によく使われるキレート剤の種類について

エデト酸塩の構造モデル

化粧品に使われるキレート剤には以下のようなものがあります。それぞれを詳しく見ていきましょう

成分 特徴
EDTA、EDTA-2Na、EDTA-4Na(エデト酸塩) ・キレート剤の代表的な成分で金属イオンと強く結合して、化粧品の変色や酸化を防ぐ
・石けんの泡立ちを良くする、石けんカスをださない
・EDTA-4Naは水に溶けやすい
・全く生分解しないのがデメリット(重金属と結合し、水道水に紛れ込むのがヨーロッパでは問題になっている)
エチドロン酸 ・水によく溶けるキレート剤で石けんの変色を防ぐ効果もある
・石けんの泡立ちを良くする、石けんカスをださない
・富栄養化物質であるリンを含むので水質汚染の影響が問題視されている
ペンテト酸5Na(医薬部外品ではジエチレントリアミン5酸三5ナトリウム水溶液) ・化学合成される成分ですが、台湾ヒノキの精油にも含まれる
水によく溶けるキレート剤で石けんの変色を防ぐ効果もある
・石けんの泡立ちを良くする、石けんカスをださない
メタリン酸Na ・リン酸水溶液と炭酸ナトリウムから合成されたキレート剤
・中華麺(ラーメン)を作る時のかん水の原料になったり、医薬原料などにも使用される食品添加物でもある
・石けんの泡立ちを良くする、石けんカスをださない
クエン酸、フィチン酸 ・水溶液がアルカリ性の場合にキレート作用を発揮
・カルシウムと石けんの結びつきは強すぎて、クエン酸ではあまり役立たない
・金属をつかんでもすぐに離すのでエデト酸塩よりも安定性が悪い
アスパラギン酸二酢酸(ASDA(R))、L-グルタミン酸二酢酸(GLDA(R))など ・ASDA(R)三菱ケミカルの登録商標
・GLDA(R)は昭和電工の登録商標で生分解性アミノポリカルボン酸型キレート剤
・環境に優しい生分解性キレート剤として注目されている成分
・ただし、完全分解には約4週間ほどかかるといわれている
HIDS(R) ・日本触媒の登録商標、アミノカルボン酸型キレート剤で生分解性を持つ
・重金属への安定度が高く、かつ、アルカリ性の水溶液に溶けやすい

「キレート剤」は肌への刺激よりも、環境への負荷で問題視されることが多い

キレート剤は環境負荷が問題視されている

キレート剤の中でもエデト酸塩などは金属を捕まえておく力が強いので、安定性がある成分としてよく使われています。日本でのキレート剤は0.01%以下の配合でも効果を発揮するため、肌に対する刺激は比較的少ないといわれています。

日本は軟水なので、ヨーロッパに比べるとキレート剤の配合量は少なく、環境への負荷はさほど問題視されてきませんでした。それでもやはり生分解しないという点で敬遠する動きが出てきました。

オーガニックコスメやナチュラル系の化粧品では、“生分解性”のあるキレート剤を希望する動きもあるようです。

いずれにせよ、品質保持には必要な成分の一つであるため、どのような成分を選び、配合していくかはじっくり検討していく必要があります。ぜひ、プロの手を借りながらいろいろなアプローチを検討してみましょう。

化粧品OEMについて詳しく知りたい方、ロットや費用の相場感を知りたい方はこちらをご覧ください。
>>化粧品OEMとは?かかる費用や、OEMメーカーの選び方を徹底解説

キレート剤が欠かせない石けんづくりについて詳しくはこちらを参考に。
>>オリジナル石けんをOEMでつくりたい!コールドプロセスや枠練り製法など石けんづくりの基礎知識を詳しく解説

▼参考文献
「美肌のために、知っておきたい 化粧品成分表示のかんたん読み方手帳」(発行:株式会社永岡書店)
「美肌成分事典」(発行:株式会社主婦の友インフォス)

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