【化粧品OEMに欠かせない基礎知識2】お肌の悩みに応える機能性成分・美容成分をズバリ解説<前編>

【化粧品OEMに欠かせない基礎知識2】お肌の悩みに応える機能性成分・美容成分をズバリ解説<前編>

化粧品成分のほとんどは「水」「油」「界面活性剤」の3つの成分でできているということをご存じでしたか?これらの組み合わせと配合率で、化粧水や乳液、クリーム、洗顔料などのさまざまなアイテムや好みの使い心地に作り上げることができます。

しかし、化粧品に求められるのは使用目的や使い心地だけではありません。お肌の悩みに応えてくれるもの、より効果を実感できるものなど、機能性にすぐれた美容成分をいかに配合していくかは売り上げを伸ばすカギになります。

今回は2回に分けて、化粧品を使うユーザーが主に抱えているお肌の悩みの原因やそのお手入れ方法、配合するとお悩み解決に応えることができる代表的な機能性成分・美容成分にフォーカスし、解説していきます。

前編では肌の悩みで最も多いトップ3、医薬部外品(薬用化粧品)として承認を得ている成分が多い「美白」「アンチエージング」「ニキビケア」について紹介。後編ではその他のお悩み5つについて紹介します。

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化粧品に求める美容効果や機能性は人それぞれ!解決したい肌のお悩みトップ8とは?

肌の悩みベスト8

日頃のお手入れで化粧品を使用する場合、どんな悩みを解決したいと思っているのか。また、どんなトラブルを予防したいと考えているのか。代表的な悩みは大きく分けて以下の8つになります。

このうち、美白ケアやアンチエージングケア、アクネケアは医薬部外品(薬用化粧品)としてさまざまなアイテムが登場し、中でも「抗シワ」効果をテーマにした薬用化粧品はいま最も熱い市場となっています。

前編ではこのトップ3の悩みに応える成分や肌に働きかけるメカニズムについて、わかりやすくお伝えします

最も多いお悩みのひとつ「シミ」を予防したい!シミができるメカニズムと主な美白ケア成分とは?

日焼けによるシミ・そばかす

若い頃は気にならなくても、年齢を重ねるごとに気になるのがお肌のシミ。シミの種類と原因には主に以下のようなものがあります。

  1. 日焼けによるシミ(老人性色素班):紫外線を浴びることにより増えたメラニンがうまく排出されずに残ったもの
  2. そばかす:遺伝的なものがほとんどで、紫外線を浴びることで数が増えたり、濃くなる場合も
  3. 炎症性色素沈着:ニキビやすり傷、虫刺されなど、炎症を起こした跡がシミとなってのこったもので、紫外線を浴びることで悪化することも
  4. 肝斑(かんぱん):30代~40代の女性でホルモンバランスの乱れなどにより、淡い褐色や灰色のぼやっとしたシミができることがある。頬骨の周辺に左右対称にできることが多い

化粧品もしくは、薬用化粧品で対処できるのは「1.日焼けによるシミ」のみ。まずは日焼けが原因でシミができるメカニズムについて解説しましょう。

「シミ」はターンオーバーの乱れや紫外線の浴びすぎにより、過剰なメラニン生成が原因

肌のターンオーバー

私たちの肌は一番上から表皮(基底層~角質層)、真皮(コラーゲンやヒアルロン酸、エラスチンなど肌の弾力を支える役目)、皮下組織(皮下脂肪)の3層で成り立っています。

表皮の基底層には「ケラチノサイト」と呼ばれる角化細胞が日々生まれており、約28日間で新しい細胞に入れ替わる“ターンオーバー”が正常に行われていることが美肌のカギです。

さらに基底層には、紫外線から肌を守る“メラニン”をつくる「メラノサイト」と呼ばれる色素細胞があります。紫外線を浴びるとメラニンを生成。角化細胞に渡し、紫外線から肌を守る“日傘”のような役割を果たします。

本来なら角化細胞とともに約28日間で垢となって剥がれ落ち、排出されるもの。しかしターンオーバーの乱れや慢性的な日焼けや集中的に強い紫外線を浴びるなどにより、メラニンが過剰に生成されてシミとなるのです。

美白化粧品がシミと戦うメカニズムには大きく分けて3パターンある

日焼けした肌

現在、美白化粧品として販売されているものは「日焼けによるシミ・そばかすを予防」するために、過剰なメラニンが生成されないよう働きかけるというものです。メラニン生成のどの段階で働きかけるかにより、3つのタイプが開発されています。

  1. メラニンの生成を抑える
  2. メラニンの排泄を促す
  3. メラニンを還元(シミを薄く)する

それぞれの役割に有効とされる成分を簡単にご紹介しましょう。

1.紫外線を浴びる前に使うのが有効!メラニンの生成を抑える

メラニンを生成するメラノサイトの活性化を抑える、メラノサイト内にあるチロシン(アミノ酸の一種)をメラニンに作り替える酵素“チロシナーゼ”に働きかることでメラニン生成を抑えます。主な成分は以下の通りです。

成分名 特徴
ビタミンC誘導体(アスコルビン酸2-グルコシド、リン酸-L-アスコルビルマグネシウム、リン酸-L-アスコルビルナトリウム)) ・浸透後にビタミンCとして働き(持続性ビタミンC)、メラニンがつくられる反応を抑える
・メラニン排泄促進や還元も併せ持つ
アルブチン(β-アルブチン、ハイドロキノン誘導体) ・コケモモの葉などに多く含まれる成分
・チロシナーゼに働きかけ、メラニン生成を抑える
・α-アルブチンは薬用化粧品の有効成分として承認されいないが、β-アルブチンより抑制効果が高いといわれている
カモミラET(カミツレ花エキス) ・カミツレ(カモミール)の花から抽出
・メラニン生成の指令を出す“エンドセリン(情報伝達物質)”の働きを阻害
トラネキサム酸(m-トラネキサム酸、トラネキサム酸セチル塩酸塩) ・トラネキサム酸は医薬品として止血剤や抗炎症剤に使われてきた成分で、肝斑(ホルモン由来のシミ)にも有効とされている
・トラネキサム酸セチル塩酸塩は皮膚に吸収されるとトラネキサム酸として働き、メラニン生成の指令を阻害する
・他の美白成分との併用が有効
コウジ酸 ・米麹菌が醗酵する過程で生まれる成分
・チロシナーゼに働きかけ、メラニン生成を抑える
エラグ酸 ・いちごやリンゴなどに含まれるタンニンの一種
・チロシナーゼに働きかけ、メラニン生成を抑える
ルシノール(4-n-ブチルレゾルシン) ・シベリアもみの木由来の成分
・チロシナーゼに働きかけ、メラニン生成を抑える
・同様の働きを持つマグノリグナン(ホオノキの樹皮に多く含まれるポリフェノール)という成分もある
リノール酸S(リノレックスS) ・紅花、ひまわり油などに多く含まれる不飽和脂肪酸の一種
・チロシナーゼに働きかけ、メラニン生成を抑える
・メラニン排泄促進もサポート
ニコチン酸アミド(d-メラノ、ナイアシンアミド) ・ビタミンB2の一種
・メラニンをケラチノサイトに受け渡すのをブロックすることで、表皮に現れることを抑える

この他にも豚などの胎盤から抽出される「プラセンタエキス」が、チロシナーゼに働きかけてメラニン生成を抑える効果、排泄促進を持つといわれています。

2.普段使いが有効!メラニンの排泄を促す

シミができるメカニズム

肌のターンオーバーを利用して、メラニンをきちんと排泄することで、シミをつくらせないというものです。

  • アデノシン-リン酸二ナトリウムOT(エナジーシグナルAMP):細胞内に存在し、エネルギー代謝を活性化する「アデノシン-リン酸=AMP」に注目し、大塚製薬が独自開発した成分
  • 4MSK(4-メトキシサリチル酸カリウム塩):サリチル酸誘導体(角質を溶かして新陳代謝を促す働き)で、シミがある角質層へ働きかけて排出を促す。メラニン生成抑制効果もあり
  • デクスパンテノール(PCE-DP):細胞のエネルギーを高め、角化細胞が抱えるメラニン排出を促す、ポーラ化粧品が独自開発した成分

この他に、ビタミンC誘導体やプラセンタエキス、リノール酸にもメラニン排出作用が期待できます。

3.普段使い&紫外線を浴びた後が有効!メラニンを還元(シミを薄く)する

メラニンが生成されるプロセスで起きる“酸化反応”を抑えて、メラニン生成を遅くしたり、メラニンの色を淡色化(薄く)することで、シミ・そばかすを薄くさせるというものです。ビタミンC誘導体が代表的な成分。

シミ治療として医療機関でよく使われているのは「ハイドロキノン」という成分がありますが、肌荒れや白斑ができる副作用があり、化粧品への配合は注意が必要です。過去に白斑トラブルを起こした美白成分としては「ロドデノール」。現在は使用禁止になっています。

美白化粧品は予防!気長に使い続けることで効果を実感できるもの

ホワイトニングケアは気長に

美白化粧品は薬ではありません。使えば「シミが消える」「すぐに薄くなる」ものではないのです。

美白の基本はまず、紫外線を浴びないこと(UVケアをしっかり行う)。浴びる前に美白化粧品でケアしておく。万が一浴びてしまったらなるべく早く対処すること。もしシミが出来てしまったら、根気よくお手入れを続けることを念頭に置いて、ユーザーとコミュケーションを取っていきましょう

化粧品の役割は“肌を美しく、健やかに保つこと”。その範囲を超えて成分や配合量を自由に決めることはできません。肌の悩みやトラブルを予防する目的で、厚生労働省から承認された成分を決められた範囲で配合できるのがいわゆる「医薬部外品(薬用化粧品)」です。

この場合でも医薬品のように「修復する」「治す」という役割を持たせることはできません。その範囲の中で、いかに悩み解決に応えていくか、どんな成分をどんな組み合わせで処方していくかが化粧品OEMを成功させるポイントになることでしょう。

▼以下の記事も参考に
≫化粧品OEMで気になる「医薬部外品」「医薬品」との違いを徹底解説!成分・配合量・効能・表示のルール
≫「薬機法(旧薬事法)」とは?化粧品OEMでの表示や広告に使えない表現についてわかりやすく解説!

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いま最も注目を集める「シワ」を予防・改善!シワができるメカニズムと対策方法は?

アンチエイジングケアのポイント

シワができるのは、肌のハリや弾力を支えている真皮層がダメージを受け、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などが減ってしまうことでたるむのが原因です。また、乾燥することで目元・口元に小じわができることも。シワの主な原因は以下のようなものがあります。

  1. 加齢による肌細胞の機能低下:真皮層にある繊維芽細胞がコラーゲンやヒアルロン酸の産生力が低下、エラスチンが加齢により壊れる
  2. 紫外線や喫煙、ストレスなどで発生する活性酸素によるダメージ:肌が酸化し、細胞のタンパク質やDNAを傷つけ、変質させる。コラーゲンを作る働きが低下し、エラスチンを壊す。さらにメラノサイトを攻撃してシミの原因にもなる
  3. 肌の乾燥:肌の乾燥が続くと未熟な角質細胞が作られ、保湿機能やバリア機能が低下し、肌表面に細かいシワをつくる

「1.加齢による肌細胞の機能低下」に対する改善効果は、2017年に初めて厚生労働省に認められ、薬用化粧品として発売されました。化粧品で対処できるのは「2.活性酸素によるダメージ」「3.肌の乾燥」のみシワできるメカニズムについて解説しましょう。

「シワ」は真皮層がダメージを受けて、肌がハリや弾力を失ってしまうことがが原因

老化した肌の構造

表示の下にある真皮層には、肌のハリ・弾力を支えているコラーゲンやヒアルロン酸を生み出す線維芽細胞があります。また、生まれつき持っているエラスチンが加齢や紫外線で変性し、壊れることもシワを生み出す原因のひとつ。それぞれの特徴は以下の通りです。

  • コラーゲン:真皮層の約70%を締める繊維状のたんぱく質(膠原繊維)。細胞と細胞をつなぎ合わせる接着剤のような約有を果たす。ゼラチンの原料としても有名
  • ヒアルロン酸:水分をたっぷりと抱え込む成分で、細胞と細胞の間でクッションのような役割を果たす。ヒアルロン酸1gで6リットルの水分を保持できる
  • エラスチン:伸縮性のある繊維状のたんぱく質(弾性繊維)。コラーゲンを束ね、スプリングのバネのような役割を果たす。生まれる前に生成され、基本的には再生されないといわれている

エラスチンは年齢とともに壊れてしまいますが、コラーゲンやヒアルロン酸は体内で生成されます。コラーゲンの材料であるアミノ酸や生成を促すビタミンCをしっかり摂るのが有効。また、ヒアルロン酸を多く含むのはうなぎ、フカヒレ、鶏の皮、山芋、海藻などを摂ると有効といわれています。

真皮層にあるコラーゲンやヒアルロン酸、エラスチンが最もダメージを受けるのは紫外線と活性酸素、そして乾燥です。日常的なお手入れをしっかりと行うことが大切ということですね。

シワ・たるみに効果的に働きかける成分とメカニズムについて

現在、化粧品で認められているのは「乾燥による小じわを目立たなくする」という効果のみ。薬用化粧品として「シワ改善効果」を認めている独自成分・処方があります。シワ・たるみに効果的といわれている代表的な成分をご紹介しましょう。

  1. 肌のバリア機能を改善し、水分保持力を高める
  2. 活性酸素を消去し、真皮層へのダメージを軽減する
  3. 肌の代謝を促し、真皮層へ働きかける
  4. 有効性は承認されていないが、シワを目立ちにくくする成分

それぞれの役割に有効とされる成分を簡単にご紹介しましょう。

1.日頃のお手入れが有効!肌のバリア機能を守る

肌のバリア機能を守るお手入れ

肌のバリア機能とは、角質層からうるおいが逃げないように守り、外部からの刺激物が侵入しないように守る働きのこと。バリア機能は肌のうるおいが保たれている状態で機能します。

肌の三大保湿因子とは「皮脂膜」「天然保湿因子(NMF)」「角質細胞間脂質(セラミド)」のことです。

  • スクワラン、トリグリセリドなど:皮脂に含まれる保湿成分でオリーブオイルやマカダミアナッツオイル、馬油などに含まれている
  • 天然保湿因子(NMF):アミノ酸(グルタミン酸、アスパラギン酸、グリシンなど)を主成分とする水性成分でコメ発酵エキスや大豆、シルクなどに含まれている
  • 角質細胞間脂質(セラミド):エイジングケアに有効といわれているヒト型セラミド(セラミド2、セラミド6、セラミド6Ⅱ)、セラミドとよくにた構造を持つ疑似セラミド(セチルPGヒドロキシエチルパルミタミ)、動物由来のセレブロシド、植物由来のコメヌカスフィンゴ糖脂質など

これらの成分を補うことで、肌のバリア機能を正常に保ち、乾燥によるシワを防ぐ効果が期待できます。

2.紫外線対策をしっかり!活性酸素を消去し、真皮層へのダメージを軽減する

紫外線の種類でダメ―jいを受ける場所が違う

活性酸素は紫外線や大気汚染、ストレス、喫煙などにより多量に発生。細胞や遺伝子を傷つけて老化を引き起こす(光老化)原因になります。活性酸素発生を抑え、消去する「抗酸化成分」を積極的に使用することで、真皮層へのダメージを抑え、シワ・たるみを予防できます。

  • フラーレン:60個の炭素でできた球状の構造で、活性酸素を吸着する働きがある。高酸化力はビタミンCの172倍で長時間抗酸化力を維持可能
  • トコフェリルリン酸Na(dl-α-トコフェリルリン酸ナトリウム、ビタミンE誘導体):油溶性のビタミンEにリン酸を結合させて水溶性にしたもの。肌に浸透するとビタミンEに変化し、抗酸化力を発揮。医薬部外品表示名称は「dl-α-トコフェリルリン酸ナトリウム」
  • リン酸アスコルビルMg、リン酸アスコルビル3Na(APM、APS、ビタミンC誘導体):皮膚に吸収されるとビタミンCに変わり、抗酸化力を発揮。医薬部外品表示名称は「リン酸L-アスコルビルマグネシウム、リン酸L-アスコルビルナトリウム」など
  • ユビキノン(コエンザイムQ10、ネガティブリストに記載があり):エネルギー代謝に関わる重要な成分で、抗酸化力を発揮。医薬部外品表示名称は「ユビデカレノン」
  • アスタキサンチン(ヘマトコッカスプルビアリスエキス):鮭や甲殻類に多く含まれる天然の赤い色、油溶性のカロテノイドの一種で、抗酸化・抗炎症作用を持つ。医薬部外品名表示名称は「アスタキサンチン液」

この他にも11種類ある活性酸素すべてを消去する効果があるといわれる白金(プラチナ)ナノコロイド、フランス海岸に自生す海岸松の樹皮から抽出されたエキス「ピクノジェノール」やぶどうの皮などに多い「レスベラトロール」など、医薬部外品として承認を受けていませんが、抗酸化成分といわれるものはたくさんあります。

化粧品としての範囲では「製品の酸化を抑える」という目的での配合として、もしくは「肌の保湿成分」としての表現のみになるのでご注意ください

3.医薬部外品として有効性をアピールできる成分!肌の代謝を促し、真皮層へ働きかける

抗シワ効果をうたう薬用化粧品が登場

現在、厚生省で認可されているシワ改善に有効とされている成分は「ニールワン(R)」「純粋レチノール」「ナイアシンアミド」の3つです。表皮だけではなく、真皮層へも働きかけるものもあり、シワ改善効果が期待できます。

  • ニールワン(三フッ化イソプロピルオキソプロピルアミノカルボニルピロリジンカルボニルメチルプロピルアミノカルボニルベンゾイルアミノ酢酸Na):日本で初めてシワ改善効果が認められたポーラ化粧品独自の成分。真皮層へ浸透し、コラーゲンやエラスチンを分解する「好中球エラスターゼ」を阻害する
  • 純粋レチノール(ビタミンA):表皮のヒアルロン酸産生を高める。資生堂が真皮の構造を再構築することでシワを改善する効果として承認を受けている
  • ナイアシンアミド(リンクルナイアシン、ニコチン酸アミド、ビタミンB3 ):ビタミンの一種で真皮へ働きかけ、コラーゲン生成を促進、美白成分にも使われる。コーセーがシワ改善効果として承認を受けている

今後も「シワ改善効果」が期待できる新成分を求めて開発が激化しそうな分野ですね。

4.有効性は承認されていないが、乾燥によるシワを目立ちにくくするなどで訴求可能なその他の成分

医薬部外品として有効性を承認されるにはなかなかハードルが高いもの。承認は得ていないものの、肌の保湿力を高め、ふっくらとさせることでシワを目立ちにくくすると訴求できるその他の成分をご紹介します。

成分名 特徴 表現できる範囲
パルミチン酸レチノール(ビタミンA誘導体) ・レチノール(ビタミンA)の機能や構造によく似た物質で、レチノールにパルミン酸を結合させ、作用を穏やかにしたもの
・医薬品として使われるのは「トレチノイン」でニキビやシミなどの治療によく使われる
・表皮のヒアルロン酸産生を高める効果があるが、シワ改善効果は承認されていない
「乾燥による小ジワを目立ちにくくする」
「保湿成分として●●配合」
レチノイン酸トコフェリル(ビタミンA・E誘導体) ・ビタミンAとEを合わせた構造を持つ成分
・ビタミンAが持つシワ改善効果とビタミンEが持つ抗酸化効果が期待できる
「乾燥による小ジワを目立ちにくくする」
「保湿成分として●●配合」
ヒアルロン酸ジメチルシラノール(ヒアルロン酸誘導体) ・コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸を結びつける働きがあるシリカ(珪素)を含む成分
・通常のヒアルロン酸よりも保湿効果が高く、肌への浸透もよく、長時間うるおいをキープ
「乾燥による小ジワを目立ちにくくする」
「保湿成分として●●配合」
パルミチン酸アスコルビルリン酸Na(ビタミンC誘導体) ・コラーゲン生成促進効果、抗酸化作用がある
・肌への浸透性がよい
・水分があると分解しやすく、処方化が難しい
「乾燥による小ジワを目立ちにくくする」
「保湿成分として●●配合」
「ビタミンC(製品の酸化防止剤)配合」
3-0-セチルアスコルビン酸(ビタミンC誘導体) ・コラーゲン生成促進効果、抗酸化作用がある
・安定性にすぐれたビタミンC誘導体
「乾燥による小ジワを目立ちにくくする」
「保湿成分として●●配合」
「ビタミンC(製品の酸化防止剤)配合」
パルミトイルトリペプチド‐5 ・アミノ酸由来のペプチドが主成分(トリペプチドとパルミチン酸を反応)
・分子量が小さいので浸透性がよい
・コラーゲンやヒアルロン酸の合成を促進させるといわれている
「乾燥による小ジワを目立ちにくくする」
「保湿成分として●●配合」
ジパルミトイルヒドロキシプロリン(ヒドロキシプロリン誘導体) ・コラーゲンの必須アミノ酸であるヒドロキシプロリンとパルミチン酸を結合
・保湿効果やコラーゲン線維修復の活性化、エラスチン分解酵素の働きを抑えるなど抗酸化効果が期待できる
「乾燥による小ジワを目立ちにくくする」
「保湿成分として●●配合」

アセチルヘキサペプチド-8(アルジルリン)

・植物由来のアミノ酸結合成分(ペプチド)
・表情じわの原因物質分泌を抑え、神経細胞の活動をやわらげることで筋肉の緊張を緩和
・「塗るボトックス」ともいわれる
「乾燥による小ジワを目立ちにくくする」
「保湿成分として●●配合」
「肌をやわらかく、ふっくら整え、シワを目立ちにくくする」
ジ酢酸ジペプチドジアミノブチロイルベンジルアミド(シンーエイク) ・アミノ酸のアラニン、プロリン、ジアミノブチル酸が主成分
・蛇の毒が筋肉を弛緩させることに着目し、人工的に作り出した成分
・「塗るボトックス」ともいわれる
「乾燥による小ジワを目立ちにくくする」
「保湿成分として●●配合」
「肌をやわらかく、ふっくら整え、シワを目立ちにくくする」
コポリマー(メタクリル酸グリセリルアミドエチル/メタクリル酸ステアリル) ・セラミドポリマーとも呼ばれる保湿剤
・分子同士が引き合うことでリフトアップ作用が期待できる
・さらっとした使い心地で、乾燥するとしっとりもちもちとした肌に整える
「乾燥による小ジワを目立ちにくくする」
「保湿成分として●●配合」
「肌にハリを与え、ふっくらと整えることで、シワを目立ちにくくする」

この他にも、ソフトフォーカス効果などを発揮する成分で物理的にシワや毛穴などを目立ちにくくする成分などが開発されています。アイテムの用途や使用感などを考慮しながら、使い心地のよいオリジナルコスメ開発の参考にしていただければと思います。

成分のすべてを把握するのは到底不可能。化粧品原料やトレンドに詳しいOEMメーカーをお探しなら、ぜひOEMプロにお任せください。

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若者から大人まで「ニキビや吹き出物」に悩む人は意外に多い!そのメカニズムと予防・改善策は?

ニキビで悩む肌

ニキビはおでこや頬、口の周り、あごなどにできる発疹のこと。尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)という皮膚疾患のひとつです。顔以外でも胸や背中などにもできやすく、すぐに治ってしまうものから、ニキビ跡となり残ってしまう重症なものまであります。

ニキビの原因は様々ですが、大きく分けると以下の3つがあげられます。

  1. 過剰な皮脂分泌:思春期になると増加する男性ホルモン「アンドロゲン」には皮脂分泌を高める性質があります。脂性肌や糖分・油分が多い食生活、ストレスにより、分泌が促進されることも
  2. 毛穴の詰まり:細胞が生まれ変わるターンオーバーが乱れることで、角質が厚くなり、皮脂や古くなった角質などが毛穴をふさいでしまう
  3. ニキビ(アクネ)菌の繁殖:肌に常在する善玉菌のひとつ。毛穴が詰まることで繁殖し、ニキビの原因に

3つの要因が重なると発症しやすくなるニキビ。軽症な「白ニキビ(皮脂が毛穴に溜まっただけ)」から、「黒ニキビ(患部の毛穴が開き、皮脂が酸化して変色)」「赤ニキビ(炎症を起こして腫れてる)」「黄ニキビ(膿んでしまった状態)」の段階があり、それぞれ対処法が異なります。

ニキビの種類

「1.過剰な皮脂分泌」「3.ニキビ(アクネ)菌の繁殖」に対する改善効果は、厚生労働省に認められ、薬用化粧品として発売されています。化粧品で対処できるのは洗顔やクレンジング、パックによる「2.毛穴の詰まり」と、しっかり保湿することで肌のターンオーバーを正常かするお手入れが可能です。

思春期にできる「ニキビ」と大人になってからできるニキビは原因・場所・対処法も違う!そのケア方法は?

思春期は成長期におけるホルモンバランスの変化で、皮脂分泌が過剰になることが原因。20代になると自然に落ち着いていくものです。

しかし大人になってからできるニキビは、吹き出物とも呼ばれ、不規則な食生活や寝不足、飲酒・喫煙、ストレス、ホルモンバランスの乱れなどさまざまな要因が複雑に絡み合い、なかなか解決できない場合も。以下、それぞれに有効なお手入れ方法を簡単にまとめました。

思春期ニキビは洗顔が重要

ニキビケアの基本は洗顔

朝晩2回、洗浄力の高い石けんでしっかり洗うこと。ニキビ用の薬用化粧品は使いすぎると、常在菌バランスを見出し、肌の自然な働きを妨げてしまうので、週に1~2回のスペシャルケアとして取り入れるのがおすすめです。

油分を多く含むクリーム類は使用を避けて、水性成分が多い保湿ケアを心がけます。

大人ニキビは保湿と角質ケアが重要

大人ニキビはあごや口の周りなど、フェイスラインにできるのが特徴です。肌の乾燥でバリア機能が低下、古くなった角質が残ることで毛穴を詰まらせて引き起こすことも。皮脂分泌過剰というよりも、水分が少ないことでバランスを崩していることが多いので洗浄力が強すぎる洗顔料は避けた方がいいでしょう。

また、殺菌剤を多く含む薬用化粧品によりバリア機能が低下する恐れも。抗炎症や抗酸化作用がある化粧品を選び、水分をたっぷりと補給するお手入れがおすすめです。

古くなった角質をスムーズに落とすには、パックや穏やかなピーリング作用があるものが有効。スペシャルケアとして定期的に取り入れていくのがいいでしょう。

大人ニキビに関しては化粧品でのケアだけではなく、生活習慣の見直しやサプリメントなどと合わせてお手入れ提案していくのが有効ですね。

ニキビケアによく使われる成分とメカニズムについて

ニキビの解決方法

現在、化粧品でニキビ対策として訴求できるのは「肌の汚れや古くなった角質をしっかり落とし、清潔に保つことでニキビを予防する」「保湿成分で肌のうるおいを保ち、柔らかく整えることで、ターンオーバーを正常に保つ」という範囲まで

薬用化粧品であれば以下のような効果が承認されており、もう少し踏み込んだアピールが可能です。

  1. 皮脂の過剰な分泌を抑える
  2. 殺菌効果でニキビ(アクネ)菌の増殖を抑える
  3. 抗炎作用(肌の炎症を抑える)
  4. 抗酸化作用(皮脂の酸化を予防)

それぞれの役割に有効とされる成分を簡単にご紹介しましょう。

1.思春期ニキビに有効!皮脂の過剰な分泌を抑える

皮膚の真皮層にある汗腺から汗、皮脂腺から皮脂を分泌し、肌の上で乳化させることで乾燥から守る天然のクリームを作り出しています。思春期は皮脂腺の働きが活発になり、皮脂分泌が過剰になり、バランスが乱れます。その結果、肌がべたついたり、毛穴を詰まらせる原因に。

厚生省により皮脂分泌を抑える効果が認められた成分は以下の通りです。

  • ライスパワー(R)No.6:勇心酒造が米の発酵から開発した新成分で皮脂腺に直接アプローチして、過剰な皮脂分泌を抑制する効果として初めて医薬部外品の認可を取得
  • ピリドキシンHCL(塩酸ピリドキシン、ビタミンB6誘導体):皮脂抑制効果のあるビタミンB6 の誘導体。緑色植物や卵黄などに含まれるビリドキシンの塩酸塩
  • 10-ヒドロキシデカン酸:ローヤルゼリーに含まれる成分の一つでローヤルゼリー酸と呼ばれることも。ニキビのもとになるコメド(毛穴の詰まり、白ニキビの状態)を溶解し、皮脂分泌のコントロール効果も期待できる

これらの成分を使用することで、過剰な皮脂分泌が引き起こす、肌のテカリや毛穴の詰まり、酸化を抑え、ニキビを予防することができます。

2.使い過ぎに注意!殺菌効果でニキビ(アクネ)菌の増殖を抑える

ニキビ予防に効果のある成分

肌の上に存在する「アクネ桿菌」にはたくさんの種類があり、肌のpHバランスを維持したり、他の病原菌の繁殖を抑えるなど、善玉菌として働く側面もあります。

一方、ニキビを引き起こすアクネ菌の正式名称は「プロピオニバクテリウム・アクネス」といい、毛穴の中に潜み、皮脂をエサとして増殖。「リパーゼ酵素」を出して皮脂を分解し、発生する遊離脂肪酸が毛穴を刺激し、炎症を引き起こしてしまうのです。

厚生省によりアクネ菌を始め、殺菌作用が認められた成分は以下の通りです。

  • イソプロピルメチルフェノール、シメン‐5-オール(o-シメン-5-オール):アクネ菌の他、背中ニキビの原因であるマラセチア菌にも有効
  • イオウ:石油の精製過程で生まれる成分で、抗菌作用やタンパク質と結合して角質を落とすピーリング作用、抗炎症作用がある
  • レゾルシン:ベンゼンスルホン酸から化学合成される成分で、殺菌作用の他、角質を落とすピーリング作用、毛穴をきれいにする作用がある(ポジティブリストに掲載あり)
  • サリチル酸:植物などに含まれる成分で化学的にも合成可能。殺菌作用の他、角質を落とすピーリング作用、消炎作用もある(ポジティブリストに掲載あり)

これらの成分はアクネ菌増殖を抑える効果があると同時に、その他の有益な常在菌の働きも抑えてしまう可能性があります。日常的に使い続けることで、肌本来の力を弱めてしまう可能性も。週に1~2回のスペシャルケアとして取り入れる、皮脂分泌が気になる時に使用するのがベストです。

また、アクネ菌は化粧品に含まれる油分も栄養源にします。アクネ菌の栄養源が含まれないノンコメドジェニック処方の化粧品を開発することで、ニキビ対策に有効な化粧品ラインナップにすることも可能

ノンコメドジェニックテストは第三者機関がニキビを生じにくい製品かどうかをチェックするもの。こういったテストを受けて訴求効果の高いオリジナルコスメを開発するのもおすすめです。

3.赤ニキビに有効!肌の炎症を抑える成分

抗炎症作用のある成分で赤ニキビを抑える

白ニキビや黒ニキビが悪化し、炎症が生じた状態を赤ニキビといいます。ほおっておくと、炎症による膿が溜まって黄ニキビになり、跡が残ることがあるので、なるべく早い段階で炎症を抑えることが大切です。

厚生省により抗炎症作用が認められた成分は以下の通りです。

  • グリチルリチン酸ジカリウム(グリチルリチン酸2K):生薬としておなじみの甘草(カンゾウ)の根に含まれる甘み成分、グリチルリチン酸の水溶性を高めたもの。抗炎症作用の他、敏感肌の改善にも効果があるとされている
  • グリチルレチン酸ステアリル:甘草(カンゾウ)の根から抽出したグリチルレチン酸(グリチルレチン酸誘導体)の油溶性を高めたもの。疑似ステロイド作用による抗炎症作用・抗アレルギー効果が期待できる
  • アラントイン:ハーブとしておなじみのコーンフリーの葉やかたつむりの粘液などに含まれる水溶性の抗炎症成分。細胞増殖作用があり、傷を治癒する効果が期待できる
  • イプシロンアミノカプロン酸:人工的に合成されたアミノ酸で抗炎症成分。アレルギーを抑える働きもある

4.白ニキビ・黒ニキビに有効!皮脂の酸化を予防する成分

ニキビを悪化させる原因になる皮脂の酸化。紫外線やストレス、酸素により引き起こされます。酸化した皮脂は肌のくすみやシミ、老化などの原因にもなるので注意が必要です。

厚生省により抗酸化作用が認められた成分は以下の通りです。

  • フラーレン:60個の炭素が球状に結合したもので、他の抗酸化成分より持続性があり、紫外線にも強いのが特徴
  • トコフェリルリン酸Na(dl-α-トコフェリルリン酸ナトリウム、ビタミンE誘導体):油溶性のビタミンEにリン酸を結合させて水溶性にしたもの。肌に浸透するとビタミンEに変化し、抗酸化力を発揮
  • リン酸アスコルビルMg、リン酸アスコルビル3Na(APM、APS、ビタミンC誘導体):皮膚に吸収されるとビタミンCに変わり、抗酸化力を発揮

この他にも抗酸化力を持つ成分はありますが、医薬部外品として承認を受けていないため、化粧品としての効能を超えて訴求することはできません。

化粧品としてニキビの予防を訴求できる成分やお手入れ方法もある

パックやピーリング、スクラブで角質を除去するお手入れ

薬用化粧品ではなくても、ニキビの予防におすすめの化粧品として訴求できるものがあります。以下のようなお手入れが有効です。

  • 毛穴の中の汚れ、古い角質を落とし、清潔に保つ
  • 肌をしっかりと保湿し、皮脂バランスを整える
  • 日焼けを防ぐ

クレイや炭には毛穴の汚れを吸着する働きがあり、パックによく使われる成分です。また、余分な角質をマイルドに落とすピーリング作用のあるパパイン酵素やフルーツ酸、物理的に落とすスクラブ剤など、角質ケアを行うことでニキビができやすい環境を改善できます。

特に大人ニキビの場合には薬用化粧品よりも、日常的なお手入れの方が有効な場合が多いので、ぜひメーカーと相談しながら設計してみてください。OEMプロなら全国対応ですので、ご希望のエリアでメーカーをみつけることができますよ。

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化粧品OEMで知っておきたい、お肌の悩み別機能性成分・美容性成分<前編>まとめ

肌の悩みに応える化粧品の開発

化粧品は、「水」「油」「界面活性剤」のベース成分に加え、機能成分や美容成分を処方することでさまざまな肌の悩みに応えることができます。前編では、医薬部外品(薬用化粧品)としてラインナップされることが多い「お肌の悩み」とそれにこたえる成分について解説しました。

新規事業としてオリジナルコスメを企画する場合、どのような処方にするのか悩みますね。次々と新しい成分が誕生し、そのすべてを理解するのは無理があります。ぜひ、プロの手を借りながら注目度の高い化粧品開発を成功させてください。

<後編>では、毛穴の悩みや肌のくすみ、肌質に合わせたお手入れなど、5つのお悩みに応えるお手入れ方法と有益な成分について解説していきます。

化粧品OEMについて詳しく知りたい方、ロットや費用の相場感を知りたい方はこちらをご覧ください。
>>化粧品OEMとは?かかる費用や、OEMメーカーの選び方を徹底解説

▼参考文献
「美肌のために、知っておきたい 化粧品成分表示のかんたん読み方手帳」(発行:株式会社永岡書店)
「美肌成分事典」(発行:株式会社主婦の友インフォス)

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