【化粧品OEMに欠かせない基礎知識11】化粧品のキー成分!代表的な「保湿成分」に絞って解説

【化粧品OEMに欠かせない基礎知識11】化粧品のキー成分!代表的な「保湿成分」に絞って解説

化粧品にもとめられている役割は、肌を清潔にし、健やかに保つこと。医薬部外品で最近注目を集めている抗シワ作用がある化粧品の一部は、真皮層へのアプローチを含むものもありますが、一般的な化粧品は角質層までの浸透しか許されていません。

化粧品のベース成分(水・油・界面活性剤)に加え、最も重要視されているのが“保湿成分”。肌をみずみずしくうるおし、健やかに整える役割を果たすものです。

しかし、保湿成分は種類が多くそのすべてを理解するのは難しいもの。今回は化粧品には欠かせない保湿成分の中でも注目を集めている代表的なものに絞って解説していきます。

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肌の保湿をつかさどるのは角質層!健康な肌の水分量は20~30%に保たれています

皮膚の構造

私たちの肌は表面にある角質層から真皮層、皮下組織の3つの層で構成されています。このうち、肌の水分量を保ち、保湿の主体となっているのが角質層。サランラップとほぼ同じ、0.02㎜の厚さというごく薄い層が肌のうるおいを守っているのです。

そして、肌のうるおいを保つために重要な働きを持つのが「バリア機能」。バリア機能は水分が失われるのを防ぐだけではなく、外部からの刺激や微生物などの侵入から守る役割も担っています。

バリア機能の解説

バリア機能が発揮できているのは、肌自身が生み出す天然のクリーム(汗+皮脂)と「角質層が持つバリア=ラメラ構造」に守られているから。ラメラ構造とは、水分と油分が交互に折り重なり合うようにつくられたミルフィーユ状の層を作る細胞間脂質のことです。

ラメラ構造

このラメラ構造がしっかりと整っていることが美肌のカギ。化粧品に配合されている保湿成分は、肌が持つうるおいを保つ仕組みに着目し、それぞれの働きに近いもの、バリア機能を発揮しやすい環境を保つことをテーマに開発・処方されています。

角質層のうるおいは「皮脂膜」「NMF(天然保湿因子)」「細胞間脂質」で守られてる

うるおいがある肌の状態

肌のうるおいを守る働きをしている角質バリア。その構造と働きを特徴別にまとめてみました。

部位 特徴 主な成分
角質細胞 ・弾力がある繊維状のソフトケラチン
・水分を含むとやわらかくなる性質
・細胞内にNMFを持っている
18種類のたんぱく質が結合(脂質を多く含み、イオウの含有量は少ない)
NMF(天然保湿因子) ・自らの重さの約4倍もの水分を抱え込む性質(水と結びつきやすい)
・角質細胞の中にある
・セリンやグリシンなどのアミノ酸、ピロリドンカルボン酸、乳酸、尿素、有機酸、ミネラル塩類など
細胞間脂質 ・油性成分であるが、水となじみやすい(親水基)を持つ
・水と油を交互に挟み込むラメラ構造を保持
・約50%がセラミドで、コレステロールや脂肪酸などの脂質を含む
・セラミドの成分:スフィンゴシン(第一級アミノアルコール)と脂肪酸が酸アミド結合したスフィンゴ脂質という物質群の一つ
・化粧品原料では合成の「ヒト型セラミド」や「植物セラミド」、「植物ヒト型セラミド」などが開発されている
皮脂膜 ・皮脂腺から分泌された皮脂と汗腺から分泌された汗が混ざり合い(乳化)、肌表面を覆ううるおいのまく ・皮脂の成分:トリグリセリド、ジグリセリド、モノグリセリド、遊離脂肪酸、スクワレン、ワックスエステル、コレステロールなど
・汗の成分:水と塩分、尿素、ミネラルなど

化粧品で保湿成分として採用されているのは、肌が自ら作り出すうるおいのメカニズムに準じたものが浸透性がよく、刺激になりにくいため人気があります。

また、真皮層の多く含まれている肌の弾力を生み出している「コラーゲン」や保湿成分である「ヒアルロン酸」、細胞間脂質の多く含まれる「セラミド」は三大保湿成分とも呼ばれています。

化粧品の保湿成分を代表する「コラーゲン」「ヒアルロン酸」「セラミド」をもっと詳しく

「セラミド・ヒアルロン酸・コラーゲン」三大保湿成分の解説

肌の保湿成分として最も有効なのは「セラミド」です。コラーゲンもヒアルロン酸も真皮層に含まれる成分なので、化粧品では届きません。肌表面でうるおいをキープするものとして配合されます。それぞれの特徴をまとめました。

1.肌なじみが抜群!最も効果が高い保湿成分「セラミド」

細胞間脂質の主成分であり、肌への浸透性がよいセラミドは保湿成分の優等生。赤ちゃんの肌にはセラミドがたっぷりと含まれ、みずみずしくぷるぷるもちもちのお肌をしています。

セラミドは油性成分でありながら、水ともよくなじむため、乾燥肌には最も有効な保湿剤。化粧品原料としてよく利用されているセラミド成分についてまとめました。

保湿成分 特徴
天然セラミド(ビオセラミド、セレブロシド、スフィンゴミエリンなど) ・哺乳類由来(馬の脳やせき髄、ミルクなどから抽出したものなど)のセラミドで肌への浸透性がよい
・水にも油にもよくなじみ、高い保湿効果が期待できる
ヒト型セラミド(1、2、3、5) ・酵母などからつくられ、バイオセラミドとも呼ばれる
・人の肌に存在するバリア機能物質なので、浸透性が抜群
・ヒト型セラミド1,2,3の混合物が肌の線維芽細胞に作用し、肌のたるみ改善に効果的という研究結果も
疑似セラミド(ヘキサデシロキシPGヒドロキシエチルヘキサデカナミド、セチルPGヒドロキシエチルバルミタミド、ラウロイルグルタミン酸ジ) ・化学的に合成されたセラミド類似成分
・価格が安いが天然やヒト型セラミドに比べると効果が落ちる(濃度を高めることである程度効果アップができる)
植物性セラミド(コメヌカスフィンゴ糖脂質、グルコシルセラミド、ユズ果実エキスなど) ・米ぬか油やユズの果実などから抽出した植物由来のセラミド
・糖セラミドとも呼ばれ、セラミドの前駆体として似た働きをする
・安価でアレルギーを起こしにくい「コンニャクセラミド」が注目されている
セラミド類似体(ジヒドロキシリグノセロイルフィトスフィンゴシン) ・醤油由来のセラミド混合物から抽出されたスフィンゴ脂質
・肌のセラミドと同等の構造を持ち、肌本来の保湿機能を改善
・肌の内側からセラミドを生成する力をサポート
カプロオイルスフィンゴシン、カプロオイルフィトスフィンゴシン ・スフィンゴシン(セラミド類の脂質複合成分)及びフィトスフィンゴシン(植物由来の脂質成分でセラミド類似作用を持つ)に短鎖脂肪酸(カプロン酸)が結合した短鎖セラミド
・肌のセラミドと類似する働きでバリア機能をサポート
・肌の内側からセラミドを生成する力の改善効果が期待できる

特に乾燥肌・敏感肌はセラミドが不足しているといわれています。また、加齢とともに減少するため、外から積極的に補うのは有効なお手入れの一つ。特に人の肌にあるセラミドと類似した構造を持つ「ヒト型セラミド」は高価ですが、おすすめの成分

最終的な商品価格とのバランスにもよりますが、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

2.水分を抱え込む力が抜群!美容液になくてはならない成分「ヒアルロン酸」

ヒアルロン酸の種類について解説

皮膚では真皮、表皮にも存在する多糖類であり、水分をたっぷりと抱え込む性質があります。真皮層に多く含まれ、細胞と細胞の間でクッションのような役割を果たすため、肌のみずみずしいハリをもたらす成分のひとつ。

ヒアルロン酸は高分子(粒子が大きい)ため、化粧品に配合する場合は水は肌になじみやすい形に加工して使用されています。化粧品原料としてよく利用されているヒアルロン酸成分についてまとめました。

保湿成分 特徴
ヒアルロン酸Na ・粒子は大きめ(5~150万程度の分子量)で、肌表面に留まり、水分を保持する特徴がある(持続性が高い)
・以前は鶏のとさかなどから抽出されたものが使われてきたが、最近では乳酸菌などを使って培養されたものが主流
加水分解ヒアルロン酸(浸透型ヒアルロン酸) ・加水分解で低分子化(1万以下の分子量)したヒアルロン酸なので、角質層の奥まで届いてしつかりうるおす
・乳酸球菌の発酵物で作られる
アセチルヒアルロン酸Na(スーパーヒアルロン酸) ・水酸基の一部をアセチル基に置き換え、疎水性と親水性両方の性質を兼ね備えたヒアルロン酸(1万~10万程度の分子量)誘導体のひとつ
・肌表面に留まり水分を保持する力と、角質層への水分補給両方を叶える
・ヒアルロン酸よりもさっぱりとした使い心地
ヒアロリペア(R)(修復型ヒアルロン酸) ・キューピーが開発した独自成分
・親水性のヒアルロン酸ナトリウムの一部に、疎水基を付けたもので、バリア機能にアプローチする機能を付与した「加水分解ヒアルロン酸アルキル(C12-13)グリセル」というもの
・肌のラメラ構造をすこやかに整え、水分をしっかり保持する機能改善が期待できます
ヒアルロン酸ジメチルシラノール(進化型ヒアルロン酸) ・抗シワ効果が期待されるケイ素誘導体を持つヒアルロン酸誘導体
・油になじみやすい性質を持つ
・肌への浸透性が良く、水分保持力を長時間キープ

肌をみずみずしく保つ働きのあるヒアルロン酸。単体で使うよりも、セラミドやコラーゲンなど他の保湿成分と併用することでより高い実感をもたらすことができます

化粧品アイテムの目的にあわせてより有効なヒアルロン酸を選ぶのは重要ですね。

3.保水力に優れ、ヒアルロン酸と併用するとさらに効果的な「コラーゲン」

肌のハリを支えるコラーゲン

コラーゲンは真皮層の約70%を締める繊維状のもので、肌の弾力やハリを支えています。25歳をピークに年々減少し、40歳で約半分に減少してしまうといわれています。

化粧品は角質層までの浸透のため、真皮層へコラーゲンを届けることはできません。肌表面でしっかりと水分を抱え込み、みずみずしさを保つ成分として使われます。

コラーゲンはタンパク質の一つで高分子(粒子が大きい)ため、化粧品に配合する場合は肌になじみやすい形に加工して使用されています。化粧品原料としてよく利用されているコラーゲン成分についてまとめました。

保湿成分 特徴
水溶性コラーゲン ・動物由来の原料を酵素などでゆっくり溶かし、抽出したもの
・コラーゲンが持つ三重らせん構造はそのまま(約30万の分子量)で、肌に薄い被膜をつくり保湿や保水力をキープ
加水分解コラーゲンコラーゲンペプチド) ・難水溶性のコラーゲンを加水分解、酵素処理で低分子化(数百~数千の分子量)し、水にも溶けやすい形にしたもの
・コラーゲンの三重らせん構造は壊れるが、角質層への浸透がよくなるので、バリア機能をサポートする
醗酵熟成コラーゲン ・コラーゲンに酵母とパイナップル果汁を加えて発酵、熟成したもので株式会社ホルス独自の成分
・コラーゲンを低分子化し、肌への浸透性が高い
・化粧品へ高配合が可能

化粧品原料を見ると「コラーゲンⅠ型、Ⅱ型、Ⅲ型」と表示されていることがあります。それぞれを簡単に分類すると以下の通りです。

  • Ⅰ型コラーゲン:皮膚や骨、腱、角膜などに多く含まれる
  • Ⅱ型コラーゲン:軟骨、硝子体などに多く含まれる
  • Ⅲ型コラーゲン:皮膚、血管壁に多く含まれる

皮膚に多く存在するのは真皮を構成するⅠ型、Ⅲ型の他にⅤ型コラーゲン(真皮コラーゲン)です。表皮をすこやかな状態に保つ働きを持つのはⅣ型コラーゲン(メッシュコラーゲン/シート型コラーゲン)で、表皮と真皮を繋ぐⅦ型コラーゲン (通称:吊り型コラーゲン) があります。

メッシュコラーゲンは、フジフィルムがその構造を密にして強化する独自成分「ナノレスベラトロールEX」を開発。アスタリフトの美容液「エッセンスデスティニー」に配合されています。

吊り型コラーゲンは、資生堂が再生させる成分、分「カノコソウエキス」「マンゴスチン樹皮エキス」を開発。美容液「エリクシール シュペリエル エンリッチドセラム」に配合されています。

胎児期に多く生成されるⅢ型コラーゲンは通称、ベビーコラーゲンと呼ばれ、化粧品原料としてよく採用されている成分になります。

NMF(天然保湿因子)に含まれる保湿成分も人気!

角質細胞に含まれるNMFについて解説

NMF(天然保湿因子)は角質細胞内にあって、水分を保持する水性低分子成分の相称です。主な成分はアミノ酸類、PCA-Na(ピロリドンカルボン酸)、乳酸、尿素、有機酸、ミネラル塩類などです。

なかでもアミノ酸は天然保湿因子の約40%を占め、アスパラギンやセリン、グリシン、アラニン、グルタミンなど16種類を含んでいます。

アミノ酸類は次に多いアミノ酸代謝産生物(PCAや尿素)とともに角質層の水分保持の要。ミネラル塩が肌の恒常性維持、有機酸が角質層の柔軟化を担うなど、それぞれが協調して健やかさを保っているといわれています。

化粧品原料としてよく利用されているNMF成分についてまとめました。

保湿成分 特徴
セリン(L-セリン) ・大豆やシルクに含まれるセリシン(たんぱく質)から抽出されたものを使用されることが多い
・細胞膜の構成成分、ホスファチジルセリンの原料として重要なアミノ酸の一つ
・他のアミノ酸(グリシンアラニン、プロリンなど)やアミノ酸関連物質とあらかじめ混合された複合原料もある
PCA-Na(ピロリドンカルボン酸) ・アミノ酸代謝物のひとつで、L-グルタミン酸から得られる保湿成分
・天然の甘味料としても使われることも
・プロリン(アミノ酸)と一緒に配合することで保湿効果が高まる
乳酸Na ・有機酸の一種である乳酸のナトリウム塩
・乳酸は角質の柔軟化として働き、ナトリウム塩の形では保水性を高める役割がある
尿素 ・医薬品分野で古くから保湿剤として使用されてきたアミノ酸代謝物
・水分と結合するとともに、角質をやわらかに保つ働きがある
・配合濃度が20%配合されると角質溶解作用をもつ

NMFは水性のうるおい成分。化粧水などに配合することが多い化粧品原料です。ひとつの成分だけではなく、いくつかの成分を組み合わせた「複合原料」として使われることが多いので、どのように組み合わせるとより効果的なのかを考えてみるのもいいですね。

人気の美容成分・保湿成分として注目度の高い「プロテオグリカン」「プラセンタ」「エクソソーム」

最新の美容成分の解説

最近注目を集めている人気保湿成分「プロテオグリカン」「プラセンタ」「エクソソーム」について簡単にご紹介します。

1.サケの鼻軟骨から抽出!第3の保湿成分として注目される「プロテオグリカン」

プロテオグリカンは糖鎖とタンパク質が結合した高分子体で、コラーゲン・ヒアルロン酸同様、人体に多く含まれています。かつては抽出に多大なコストがかかっていましたが、1998年に弘前大学研究チームが青森の郷土料理「氷頭(ひず)なます」にヒントを得て、酢酸抽出によりサケの鼻軟骨からプロテオグリカン(あおもりPG)採取に成功。

2019年に株式会社リナイスが、北海道産天然シロサケの鼻軟骨から超高分子の抽出・精製に成功。抗シワ試験を行った新規製造方法で特許を取得しています。

プロテオグリカンには抗炎症作用、細胞増殖促進作用、保湿作用などが期待でき、コラーゲン・ヒアルロン酸に次ぐ第3の保湿成分として人気を集めています。

▼プロテオグリカンを使用したご当地コスメはこちらも参考に
北海道の化粧品OEMメーカー7選!機能性化粧品の原料メーカーが勢揃い
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2.成長因子や必須アミノ酸などが豊富!古くからエイジングケアに使用されてきた「プラセンタ」

プラセンタは哺乳類の胎盤からエタノール抽出されたもの。10数種類のアミノ酸や核酸様物質、ビタミン、ミネラル、酵素、ムコ多糖類などを豊富に含み、肌のハリ回復やターンオーバーを正常化する保湿成分として使われています。

プラセンタは動物性と植物性の2種類。動物性は馬・豚から抽出、植物性は植物の種子にある「胎座(発芽する部分)」から抽出します。

また、2012年にホシケミカルズ株式会社がサケの卵巣膜から抽出した「マリンプラセンタ(R)」を開発。アミノ酸含有量が動物由来のものよりも桁違いに多い海洋性のプラセンタとして注目されています。

一般的な化粧品ではブタプラセンタエキスが使われることが多いですが、よりアミノ酸が豊富で希少なウマプラセンタエキス配合を打ち出したご当地コスメなども開発されています。

▼ウマプラセンタエキスを使用したご当地コスメの例
【熊本ご当地コスメ特集】地元の伝統を生かした個性派化粧品
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3.「ヒト肝細胞培養液」に含まれる「エクソソーム」は最先端のエイジングケアに

エクソソームは細胞から分泌される顆粒状の物質。表面は細胞膜成分(脂質・タンパク質など)、内側には核酸(マイクロRNA、メッセンジャーRNA、DNAなど)やタンパク質などを含んでいます。これらの特徴は元の細胞のもを反映。体内を循環し、細胞間の情報伝達に関わっていることが突き止められています。

このことから、病気の診断や治療、再生医療の分野で研究が進められていますが、ダメージを受けた細胞そのものを修復できる可能性があることから、化粧品分野でも注目されている成分です。

エクソソームを含む「ヒト肝細胞培養液」は2012年に化粧品原料として登録。その後、エクソソームだけを抽出した「ヒト脂肪間質細胞エクソソーム」が登場し、注目を集めています。

ナチュラル系コスメに人気!保湿効果の高い植物エキス

植物エキスの保湿効果について解説

古くから漢方でも使われてきた生薬系やハーブ系以外にも、毎年新しい植物エキスが発見され、特にご当地コスメなどで独自性を出したいときに使用されることが多くあります。

「天然=安全」というイメージが先行しやすい植物エキスですが、未精製の場合、アレルギーの原因物質を含んでいる可能性があります。その点を念頭に置きながら配合を考えるのがベストですね。代表的な植物エキスについてご紹介します。

 

保湿成分 特徴
アロエ葉ベラエキス(キダチアロエ) ・糖類やアミノ酸が豊富で創傷治癒作用、鎮静作用が期待できる
・古くからやけどや便秘の治療にも使われた
・化粧品では保湿成分と表示
カミツレ花エキス(医薬部外品ではカモミラエキス) ・ジャーマンカモミールから抽出され、肌の炎症を抑える作用が期待できる
・古くから消化器系の不調やおむつかぶれ、安眠のハーブとして使われた
・医薬部外品では日焼けによる炎症を抑え、シミそばかすを防ぐと訴求可能
ユズ果実エキス(医薬部外品ではユズセラミド) ・ユズの果実から抽出されるスフィンゴ脂質(セラミド)を中心とした保湿成分(セラミド類似物質)
・バリア機能改善が期待できる
・医薬部外品では乾燥によるシワをやわらげると訴求可能
ハトムギ種子エキス(医薬部外品ではヨクイニンエキス) ・ハトムギ種子から抽出され、糖類やタンパク質、脂肪油、脂肪酸などを含む
・漢方では関節炎やイボの治療などに使われてきた
・NMF(天然保湿因子)に含まれるアミノ酸を産生するフィラグリンの産生促進効果や保湿作用が期待できる
ロイヤルゼリーエキス ・女王バチのために働きバチが分泌するローヤルゼリーからべたつきや刺激の原因になるたんぱく質などを除去したもの
・糖類やアミノ酸、ビタミン類、ミネラルが豊富で保湿作用が高い
・ロイヤルゼリー酸と呼ばれる10-ヒドロキシデセン酸が特有成分で皮脂抑制作用が認められている(医薬部外品としてアピール可能)

この他にもコメ発酵エキスやキノコ由来の化粧品原料、海藻エキスなどさまざまな素材が使われています。ご当地素材で化粧品原料として持ち込み可能な化粧品OEMメーカーもありますので、ぜひ気軽に相談してみましょう。

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化粧品に配合する成分は基本“保湿作用”としてのみ表現できる

化粧品は保湿成分としてのみPRが可能

古くから使われてきた植物エキスなどには、角質層だけではなく真皮層へも浸透し、コラーゲンやヒアルロン酸産生にも働きかける作用が期待できるものもあります。

しかしながら、化粧品の目的と役割はあくまでも「角質層へ浸透」し、うるおいを与えるというところまで。肌にうるおいを与える“保湿成分”として表示、アピールすることしかできません。

医薬部外品(薬用化粧品)に関しては認可を受けている成分についてのみ、「成分+効果効能」を訴求可能。他のコスメとどのように差別化していくか、独自性を持たせるか難しいところです。

「薬機法(旧薬事法)」とは?化粧品OEMでの表示や広告に使えない表現についてわかりやすく解説!

最新の化粧品事情や新しい成分などについて詳しい化粧品のプロ、OEMメーカーにぜひ相談して、訴求力のあるオリジナルコスメを開発してくださいね。

化粧品OEMについて詳しく知りたい方、ロットや費用の相場感を知りたい方はこちらをご覧ください。
>>化粧品OEMとは?かかる費用や、OEMメーカーの選び方を徹底解説

▼参考文献
「美肌のために、知っておきたい 化粧品成分表示のかんたん読み方手帳」(発行:株式会社永岡書店)
「美肌成分事典」(発行:株式会社主婦の友インフォス)

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