【化粧品OEMに欠かせない基礎知識3】お肌の悩みに応える機能性成分・美容成分をズバリ解説<後編>

【化粧品OEMに欠かせない基礎知識3】お肌の悩みに応える機能性成分・美容成分をズバリ解説<後編>

化粧品の企画・開発で重要な商品コンセプト。どのような機能をもたせるのか、お肌の悩みにどうこたえていくのかが重要です。

化粧品のベース成分である「水」「油」「界面活性剤」に独自性をもたせるために処方される、機能性成分や美容性成分についてお肌の悩み別に解説。<前編>では、医薬部外品(薬用化粧品)としてよく開発される「美白ケア」「シワ改善ケア」「ニキビケア」について紹介しました。

後編ではその他の代表的な肌の悩み「毛穴の悩み」「肌のくすみ」「目の下のクマ」「肌質の悩み(べたつき、乾燥など)」「過敏肌」について紹介します。

化粧品や医薬部外品(薬用化粧品)製造についてゼロから相談したい場合は、ぜひOEMプロにお任せください。

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「詰まり」「黒ずみ」「開き」毛穴の悩みを抱えている女性は意外に多い!

毛穴の悩みを抱える女性は多い

皮脂は毛穴から分泌されています。顔には約20万個あり、年齢を重ねてもその数は変わりません。毛穴が目立つ状態になるのは2つのパターンがあります。

一つは皮脂の過剰分泌や古くなった角質が排泄されずに毛穴を詰まらせている状態。そしてもう一つは紫外線による肌の炎症や加齢による肌のたるみなどが原因で毛穴が開いてしまうこと。

毛穴が目立つ肌は、メイクのノリが悪くなったり、化粧崩れしやくなります。10代から20代に多いのが「毛穴の詰まり」で、40代以降は「毛穴の開き」に悩んでいる方が多いようです。

毛穴ケアの基本はまず「洗浄」。そして“毛穴の詰まり”には「皮脂と角質の除去」、“毛穴の開き”には「保湿」が重要といえます。

「毛穴の詰まり」はターンオーバーの乱れで古い角質と皮脂が詰まる“角栓(黒ずみ)”と“コメド”の2タイプある

毛穴が目立つ理由

皮脂と古い角質が毛穴に詰まることで引き起こされる「毛穴の詰まり」。通常であれば、スムーズに生まれ変わるはずの肌が、炎症や刺激などでターンオーバーが乱れ、角化亢進(角質の過剰形成や剥がれ落ちるのが遅くなる状態)を起こし、毛穴を詰まらせてしまいます。

「角栓」は角質と皮脂が混ざり合い毛穴の出口をふさいでいる状態。時間が経つと、酸化して黒ずむのでさらに毛穴が目立つようになります。この毛穴の黒ずみは「イチゴ毛穴」「ブラックヘッド」と呼ばれています

「コメド」は角質が毛穴の出口を防ぎ、皮脂が毛穴から出られず詰まている状態。いわゆる白ニキビ(初期のニキビ)と呼ばれ、面ぼうと呼ばれたりもします。

ターンオーバーの乱れを引き起こす要因としては、紫外線や肌の乾燥、過剰なお手入れ(角栓の抜き取りやピーリングのやりすぎなど)があげられます。通常のお手入れの中で、スペシャルケアとして角質ケアや角栓ケアを取り入れるのが有効です。

「毛穴の開き」は紫外線によるダメージと加齢による肌のたるみ

毛穴の開きは肌のたるみが原因

肌深部にある真皮層にはコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸があり、弾力やハリを支えています。紫外線による刺激や加齢により真皮層が変性したり、弾力を支える成分が失われてしまうことで肌がたるみ、毛穴周辺がすり鉢状に陥没。その結果、毛穴が開いたように見えてて目立ってしまうのが原因です。

特に頬周辺で起きやすく、そのままにしておくと毛穴の形が円形から楕円形、涙型というようにさらにたるみ、ひどくなるとつながって帯状になる場合も。

毛穴の詰まり同様、洗顔と保湿をしっかりすることが大事です。毛穴の開きに悩んでいる方でも肌がテカる、べたつくという場合も多いと思いますが、年齢肌の場合、水分量が足らないことがほとんど。

また、毛穴を引き締めようとして収れん作用の強いものを使いすぎると、さらに悪化させる場合があるので注意が必要です。

毛穴ケアに有効なお手入れと成分

毛穴の悩みを解決するには、むやみに角栓を取ったり、角質をはがしたり、収れん作用の強い化粧水などを使用しないのが基本。基本のスキンケアに毛穴ケア用のスペシャルケアを適度にプラスするラインナップがおすすめです。

洗顔料・クレンジング剤におすすめの成分

毛穴の詰まりを解消するお手入れ

角栓はタンパク質と皮脂が固まったものです。皮脂とよくにたオイルやタンパク質を分解する酵素を上手く活用すると、肌に負担をかけずに取り除くことができます

また、日頃のお手入れに組み込むことで、角栓ができにくい肌にすることも可能です。主な成分は以下の通りです。

成分名 特徴 おすすめの毛穴
マカダミアナッツオイル ・マカダミアナッツの種子から得られる植物油
・皮脂に含まれるパルミトレイン酸が豊富(約20%)
・肌をやわらかくするエモリエント作用が高い
詰まり毛穴
開き毛穴
アボカドオイル ・アボカドの果肉から得られる植物油
・皮脂に含まれるパルミトレイン酸が豊富(約6%)で、ビタミンAやE、B群なども含み栄養価が高い
・肌をやわらかくするエモリエント作用が高い
詰まり毛穴
開き毛穴
オリーブ果実オイル ・オリーブ果実から得られる植物油
・皮脂に含まれるオレイン酸が豊富(約70%)
・同様に皮脂に含まれるスクワレン、ステロールがあり、肌なじみが良い
・肌をやわらかくするエモリエント作用が高い
詰まり毛穴
開き毛穴
コメヌカ油 ・米ぬかから得られる植物油
・皮脂に含まれるオレイン酸(約40%)、パルミチン酸(約16%)を含む
・トコフェロール(ビタミンE)やΓ-オリザノールが豊富で酸化しにくい
・肌をやわらかくするエモリエント作用が高い
詰まり毛穴
開き毛穴
馬油 ・人の脂肪酸組成(リノール酸、オレイン酸、アラキドン酸、リノレン酸など)と非常によく似てるため、浸透性が抜群
・肌をやわらかくするエモリエント作用、肌荒れ・乾燥防止作用が高い
詰まり毛穴
開き毛穴
アルガニアスピノサ核油(アルガンオイル) ・アルガン種子から得られる植物油
・オレイン酸(約50%)、リノール酸(約30%)が豊富で、オリーブオイルよりもリッチな使い心地
・トコフェロール、ポリフェノール、ステロール、スクワレンを含有
・エモリエント作用、肌のバリア機能を正常に保つ作用がある
詰まり毛穴
開き毛穴
酵素類(パパイン、プロテアーゼ、リパーゼなど) ・パパイン(未成熟パパイヤから抽出)、プロテアーゼはタンパク質(古い角質)を分解する働き
・リパーゼは皮脂を分解する働き
詰まり毛穴
カオリン、ベントナイトなどの粘度好物 ・皮脂を吸着する効果
・ミネラルが豊富
・クレイの種類により、乾燥肌からオイリー肌まで対応可能
詰まり毛穴
スクラブ剤(塩、砂糖、ナチュラルシードスクラブ、マイクロプラスチック) ・塩に含まれるミネラルが角質をやわらかくし、血行促進効果も
・砂糖は敏感肌にもやさしく、肌の血行促進に役立つグリコール酸が含まれている
・アーモンドやオートミール、クルミなど種子の種類で効果が異なるが、肌へのやさしさがポイント
・マイクロプラスチックは環境汚染につながるということで、最近ではあまり使われない
詰まり毛穴
種類によっては開き毛穴
ピーリング剤(α-ヒドロキシ酸、乳酸、ホエイなど) ・α-ヒドロキシ酸(AHA)はフルーツから抽出された比較的マイルドなピーリング成分(サトウキビのグリコール酸、レモンなどのクエン酸、リンゴのリンゴ酸、サワークリームの乳酸など)
・古くなった角質をはがす
・乳酸はNMF(天然保湿因子)のひとつで、肌への負担が少なく、大人ニキビにも有効とされている
詰まり毛穴

物理的な作用で取り除く方法と、化学的な力で取り除く方法があり、両方組み合わせて効率よく働きかける化粧品も考えられます。

肌への負担を考えて、日常的に使えるものはマイルドなものに、黒ずみなどが気になる場合は、スペシャルケアとして定期的に取り入れるなど、ラインナップを考えるといいでしょう。

毛穴詰まりに有効な成分

毛穴ケアに有効な成分について

皮脂分泌が盛んな10~20代の肌向けのスキンケアに有効なのが、皮脂分泌を抑制する成分。抗炎症成分と合わせて使用すると、角栓予防効果も高まります。

皮脂分泌を抑制する成分

成分 特徴 表現の範囲
ライスパワー(R)No.6 ・米発酵のプロセスで抽出されたエキス
・皮脂分泌の抑制効果を日本で初めて認可
薬用化粧品として「皮脂腺に働きかけ、皮脂分泌を抑えます」
フィチン酸(ライスミルク) ・米ぬか由来の成分
・皮脂分泌を抑制したり、抗酸化力やコラーゲン生成をサポート
・肌のバリア機能改善や水分保持作用
・医薬部外品表示名はフィチン酸液
薬用化粧品として「皮脂分泌をコントロール」
ピリドキシンHCL(塩酸ピリドキシン、ビタミンB6誘導体) ・皮脂抑制効果のあるビタミンB6 の誘導体
・緑色植物や卵黄などに含まれるビリドキシンの塩酸塩
・皮脂分泌を抑え、ニキビや肌荒れの防止効果
薬用化粧品として「皮脂分泌をコントロール」
10-ヒドロキシデカン酸 ・ローヤルゼリー中に約5%含まれるローヤルゼリー酸
・抗菌、抗炎症作用、皮脂分泌を抑制して最適化する
・毛穴の汚れを溶かし出し、ブラックヘッド(黒ずみ)を改善
化粧品として「保湿成分」

抗炎症成分

成分 特徴 表現の範囲
グリチルリチン酸ジカリウム(化粧品成分での表示はグリチルリチン酸2K) ・生薬に使われる甘草(カンゾウ)の根に含まれる成分で、水溶性を高めたもの
・抗炎症、抗アレルギー作用
・皮膚刺激を緩和する作用
化粧品では「保湿成分」、薬用化粧品として「肌の炎症を抑え、肌荒れを予防します」
グリチルレチン酸ステアリル ・生薬に使われる甘草(カンゾウ)の根に含まれる成分で、グリチルリチン酸を加水分解したグリチルレチン酸に、ステアリルアルコールをエステル結合したグリチルレチン酸誘導体(油溶性)
・疑似ステロイド作用による抗炎症作用・抗アレルギー効果
化粧品では「保湿成分」、薬用化粧品として「肌の炎症を抑え、肌荒れを予防します」
アラントイン ・ハーブとしておなじみのコーンフリーの葉やかたつむりの粘液などに含まれる水溶性の抗炎症成分
・細胞増殖作用や傷を癒す効果
化粧品では「保湿成分」、薬用化粧品として「肌の炎症を抑え、肌荒れを予防します」
イプシロンアミノカプロン酸 ・抗炎症作用のある中性アミノ酸
・アレルギーを抑える働き
化粧品では「保湿成分」、薬用化粧品として「肌の炎症を抑え、肌荒れを予防します」

毛穴の開きに有効な成分

毛穴の開きには保湿と抗酸化ケア

肌の衰えを感じ始める40代以降の毛穴ケアに有効なのが、真皮層にアプローチするお手入れ。抗酸化力のある成分や肌のハリを保つコラーゲン産生を促す成分をまとめました。

抗酸化成分

成分 特徴 表現の範囲
フラーレン ・球状の構造を持つ60個の炭素が、活性酸素を吸着する働きを持つ
・抗酸化力はビタミンCの172倍で、長時間持続
化粧品として「保湿成分」
トコフェリルリン酸Na(ビタミンE誘導体、医薬部外品ではdl-α-トコフェリルリン酸ナトリウム) ・油溶性のビタミンEにリン酸を結合させて水溶性にしたもの。肌に浸透するとビタミンEに変化し、抗酸化力を発
・医薬部外品表示名称は「dl-α-トコフェリルリン酸ナトリウム」
化粧品では「保湿成分」「製品の抗酸化成分」、薬用化粧品として「肌の炎症を抑え、肌荒れを予防します」
リン酸アスコルビルMg、リン酸アスコルビル3Na(APM、APS、ビタミンC誘導体) ・皮膚に吸収されるとビタミンCに変わり、抗酸化力を発揮
・美白や皮脂分泌を抑えてニキビを予防する作用も
・医薬部外品表示名称は「リン酸L-アスコルビルマグネシウム、リン酸L-アスコルビルナトリウム」など
化粧品では「保湿成分」「製品の抗酸化成分」、薬用化粧品として「日焼けによるシミ・そばかすを防ぐ」「肌荒れを予防します」
ユビキノン(コエンザイムQ10) ・エネルギー代謝に関わる成分で抗酸化効果を持つ
・医薬部外品表示名称はユビデカレノン
・ネガティブリストに記載があり、配合量が制限
化粧品では「保湿成分」、薬用化粧品として「角質層の水分保持力を高め、肌荒れを予防します」
アスタキサンチン(ヘマトコッカスプルビアリスエキス) ・鮭や甲殻類に多く含まれる天然の赤い色、油溶性のカロテノイドの一種
・抗酸化・抗炎症作用を発揮
・医薬部外品名表示名称は「アスタキサンチン液」
化粧品では「保湿成分」、薬用化粧品として「日焼けによる肌の乾燥や肌荒れを予防します」

真皮へアプローチする成分

成分 特徴 表現の範囲
パルミチン酸アスコルビルリン酸Na(ビタミンC誘導体) ・ビタミンCよりも安定しており、肌への浸透性もよい
・コラーゲン生成促進効果、抗酸化作用がある
・水分があると分解しやすく、処方化が難しい
化粧品では保湿成分もしくは「ビタミンC(製品の酸化防止剤)配合」、薬用化粧品として「日焼けによるしみ・そばかすを予防します」
3-0-セチルアスコルビン酸(ビタミンC誘導体) ・コラーゲン生成促進効果、抗酸化作用がある
・安定性にすぐれたビタミンC誘導体
化粧品では保湿成分もしくは「ビタミンC(製品の酸化防止剤)配合」、薬用化粧品として「日焼けによるしみ・そばかすを予防します」
パルミトイルトリペプチド‐5 ・アミノ酸由来のペプチドが主成分(トリペプチドとパルミチン酸を反応)
・分子量が小さいので浸透性がよい
・コラーゲンやヒアルロン酸の合成を促進させるといわれている
「保湿成分として●●配合」「乾燥による小ジワを目立ちにくくする」「肌にうるおいを与え、ハリを保ちます」など
ジパルミトイルヒドロキシプロリン(ヒドロキシプロリン誘導体) ・コラーゲンの必須アミノ酸であるヒドロキシプロリンとパルミチン酸を結合
・保湿効果やコラーゲン線維修復の活性化、エラスチン分解酵素の働きを抑えるなど抗酸化効果が期待できる
「保湿成分として●●配合」「乾燥による小ジワを目立ちにくくする」「肌にうるおいを与え、ハリを保ちます」など

肌のハリや弾力を支える真皮層へのケアは、角質層のうるおいをしっかり保ち、バリア機能を高めることが重要です。化粧品では「保湿効果」しか訴求することはできませんが、肌のハリ・弾力を保つお手入れとしてアプローチが可能。

抗酸化成分は、皮脂の酸化を抑える働きで角栓をできにくくします。紫外線の影響が強い現代では、若い肌にも抗酸化力の高い化粧品は有益です。

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年齢よりも老けて見える&不健康に見える「肌のくすみ」

老け込んで見える肌のくすみ

肌に透明感がない。肌色が黄色っぽく見えるなど、肌のくすみはなぜ起きるのでしょうか。

肌表面がなめらかであれば、そこに光が当たり、きれいに反射することで内側から輝き、透明感のある肌色に見えます。しかし、乾燥して角質がめくれ上がり、ざらついたり、ごわついたりすると、光が乱反射して艶やかさを失ってしまいます。また、角質が肥厚すると透過しにくくなり、暗くくすんだ肌色にみせることも。

毛穴やシワが目立つ肌であれば、そこに陰影が生まれて肌全体をくすませますし、メラニン色素の沈着(シミ)があれば、老けた印象をもたらします。血行不良による肌の赤みの低下も顔色を悪くみせますね。

また、最近よくいわれているのが肌の「糖化(カルボニル化)」。皮膚のたんぱく質(真皮のコラーゲンやエラスチン、表皮のケラチンなど)が糖と結びついて変質し、AGEs【週末糖化産物)と呼ばれる物質に変化してしまうことが原因です。

クッキーやホットケーキが茶色くなるのも同じ「糖化」による反応。肌色を茶色っぽくくすませてしまうのです。糖化を防ぐには血糖値を上げないように食事内容やストレスケアなど、生活習慣の見直しが必要。健康食品とトータルなOEMが有効ですね。

一般的な「肌のくすみ」に有効なお手入れは角質ケア。しっかりと保湿して正常なターンオーバーを保つことです。肌の血行を促すマッサージやパックを取り入れてあげることも重要

余分な角質がたまっている場合は、ふき取り化粧水やピーリングなどもおすすめ。ただし乾燥がひどい場合や敏感肌は刺激が強すぎるので、注意が必要です。

マッサージやパックで血行を促し、正常なターンオーバーを応援!肌色を明るく整えるお手入れと成分

フェイシャルマッサージで血行促進

マッサージは肌の血行を良くする効果が得られる反面、やり方を間違えるとかえってマイナス。指のすべりをよくするクリームやオイルなど、マッサージ専用のアイテムを開発するのがカギです。

また、マッサージクリームに保湿成分や美白成分などをプラスすることで、肌の透明感をさらに引き出すことも可能。肌悩み別にラインナップを考えてみましょう。

マッサージにおすすめのオイルや成分

マッサージオイルの種類

マッサージによく使われるのはオイル。主な種類と成分は以下の通りです。

マッサージ向きのオイル

成分名 特徴 粘性(テクスチャー)
ミネラルオイル(鉱物油、流動パラフィン) ・石油から精製した無色、無臭オイルで酸化しにくい
・皮膚に浸透せずに被膜をつくり、水分の蒸発を防ぐ
・肌をやわらかに整える
軽くてサラサラ
スクワランオイル(炭化水素油) ・皮脂に含まれる保湿成分で動物由来と植物由来がある
・水素を添加することで腐りにくくなっている
・肌をやわらかくするエモリエント作用があり、水分保持力が高い
軽い。植物性由来の方がさらにさらっとした感触
グレープシードオイル ・ぶどうの種子から得られる植物油
・リノール酸(約70%)が多く、やや酸化しやすい
・肌をやわらかくするエモリエント作用や保湿効果がある
軽くてサラサラ(脂性肌、敏感肌向き)
ホホバオイル(クリア/ゴールデン) ・砂漠に自生するツゲ科の植物、ホホバの種から得られるワックスエステル、酸化しにくい
・皮脂とよく似た構造で肌なじみが良い
・皮脂バランス調整作用があり、保湿効果、柔軟効果がある
軽くてサラサラ、肌をすべすべに整える(脂性肌~乾燥肌まで万能)
※未精製(ゴールデン)のものはやや粘性が高い
※まれにホホバアレルギーもあるので注意
※ヘアケアにも最適
マカダミアナッツオイル ・マカダミアナッツの種子から得られる植物油でやや酸化しにくい
・皮脂に含まれるパルミトレイン酸が豊富(約20%)、オレイン酸も約55%含み、肌への浸透性にも優れている
・肌をやわらかくするエモリエント作用が高い
やや軽い、肌をやわらかくしっとり整える(乾燥肌、老化肌向き)
ココナッツオイル(ヤシ油) ・ヤシの果肉(実の殻側)から得られる植物油、常温では固体(25℃で溶ける)なので、精製して液体にする場合も
・肌への浸透性がよく、保湿力、エモリエント作用がある
軽くて、肌をやわらかくしなやかに整える
※肌を乾燥させずに日焼けできるのでサンオイルによく使用される
※ヘアケアにも最適
アボカドオイル ・アボカドの果肉から得られる植物油
・皮脂に含まれるパルミトレイン酸が豊富(約6%)で、ビタミンAやE、B群なども含み栄養価が高い
・肌をやわらかくするエモリエント作用が高い
単体では重いので他のオイルにブレンドして使用
オリーブ果実オイル ・オリーブ果実から得られる植物油
・皮脂に含まれるオレイン酸が豊富(約70%)
・同様に皮脂に含まれるスクワレン、ステロールがあり、肌なじみが良い
・肌をやわらかくするエモリエント作用が高い
単体では重いので他のオイルにブレンドして使用
椿(カメリア)オイル ・椿の種子から得られる植物油
・皮脂に近いオレイン酸が豊富(約85%)で肌なじみが良く、サポニン(殺菌作用)が肌をすこやかに保つ
・肌をやわらかくするエモリエント作用が高く、保湿力も高い
やや粘性が高いので他のオイルにブレンドがおすすめ
※ヘアケアにも最適
アルガニアスピノサ核油(アルガンオイル) ・モロッコのみに生息するアルガン種子から得られる植物油
・オレイン酸(約50%)、リノール酸(約30%)が豊富で、オリーブオイルよりもリッチな使い心地
・トコフェロール、ポリフェノール、ステロール、スクワレンを含有
・エモリエント作用、肌のバリア機能を正常に保つ作用がある
比較的さらっとしている、値段が高い(年齢肌向き)
セサミ油 ・胡麻の種子より得られる植物油、比較的酸化しにくい
・特有の抗酸化成分であるセサミン、セサモリン、セサモールの他、ビタミンEを含む
・肌への浸透性が良く、エモリエント作用にすぐれる
やや粘性がある、肌をしっとりなめらかに整える

この他にもアーモンドオイルやローズヒップオイル、月見草オイルなどさまざまなオイルがあります。それぞれ効果やテクスチャーが異なるので、いろいろなオイルをブレンドしてオリジナリティを出すことが可能です。

オイルは汚れる、べたつくのが苦手という方も多いはず。界面活性剤で水性成分を含ませたクリーム状にすることで肌への感触が良くなる、液だれしにくくなるなど、使い心地がよくなります。ふきとりが必要なタイプ・いらないタイプなど、いろいろな処方を検討してみましょう。

血行促進に有効な成分

ユズエキスは肌の血行を促進

マッサージは物理的に肌の毛細血管に働きかけ、血行を促すものですが、成分そのものが肌を温める加温作用や血色をよくする引赤作用を持つものもあります。クレンジング剤やパック、マッサージオイル&クリームに配合することでより効果的に肌を温める成分をご紹介します。

  • グリセリン:ヤシ油などに含まれる成分で水分と反応して発熱。肌を温めるので毛穴ケアにもおすすめ
  • 炭酸水素ナトリウム(炭酸ガス):炭酸パックなどある程度肌の上に留まる状態であれば、血行促進効果があり
  • ユズ果実エキス・ユズエキス:収れん作用やエモリエント作用、保湿作用があり注目の成分。局所刺激による血管拡張作用があるといわれ、血色をよくする
  • 唐辛子果実エキス:唐辛子の皮からエタノールなどで抽出、カプサイシンなどの辛味成分が主成分。血行促進作用はあるが刺激が強いので、ネガティブリストに掲載がある(配合量に制限)
  • バニリルブチル:カプサイシンとよく似た構造を持つ成分で、バニラビーンズから得られたもの、合成のものがある。刺激に注意
  • グリコシルヘスペリジン、メチルヘスペリジン:生薬・陳皮(みかんの皮)から得られる成分。グリコシルヘスペリジンはビタミンPとも呼ばれるヘスペリジンを水溶化した誘導体。メチルヘスペリジンは血行促進の他、抗酸化作用も期待できる

この他、肌を温める効果が見込めるオタネニンジンエキスやアシタバエキスなど、植物由来のエキスがいろいろあります。

古い角質をオフする成分

スクラブやピーリングで古い角質を落とす

肌表面のざらつきやごわつきは、古い角質が残っている場合と、うるおいが足らずに肌荒れを起こしている場合の2パターンあります。乾燥している場合は保湿ケアを中心に、バリア機能を高めてあげましょう。

古い角質を取り除く作用のある主な成分は以下の通りです(毛穴詰まりのセクションを参考にしてください)。

  • 酵素類(パパイン、プロテアーゼ、リパーゼなど):タンパク質や皮脂を分解し、はがしやすくする作用
  • ピーリング剤(α-ヒドロキシ酸、乳酸、ホエイなど):比較的マイルドなピーリング作用で、古くなった角質をはがしやすくする作用
  • スクラブ剤(塩、砂糖、ナチュラルシードスクラブ):角質をやわらかくし、はがしやすくする作用

乾燥肌の方には最近注目が集まる「ハトムギ種子エキス(ヨクイニンエキス)」がおすすめ。生薬としてはイボの治療など皮膚疾患によく使われてきました。角質層の水分保持力を高め、キメを整える働きがあるので肌のくすみに有効です。

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不健康で老け顔に見せる「目の下のクマ」

気になる目の下のクマ

目元の皮膚は薄くデリケート。PCやスマホ操作で酷使され、まばたきなどで常に負担がかかる目元は年齢のサインが現れやすい場所でもあります。特に老け込んで見える「目の下のクマ」はどうしてできるのでしょうか。3つの原因があります。

  1. 血行不良・睡眠不足・ストレス・眼精疲労(青いクマ)
  2. 色素沈着(茶色いクマ)
  3. 目元のたるみ(黒いクマ)

目のクマの種類

それぞれの対策や有効な成分について解説していきます。

1.血行不良などで現れる「青いクマ」

目の周りの血液が滞りがちになり、皮膚を通して青黒く見えている状態。クマの部分をしたにひっぱると色が薄くなるのが特徴です。

ホットタオルなどで温めてあげるだけでも解消する場合も。目元は特に刺激に弱いので、化粧品で解消するというよりも、ツボ押しなどソフトな刺激で血行をよくするようにします。

2.色素沈着による「茶色いクマ」

紫外線を浴び、目元をこするなどの強い刺激でメラニン色素が沈着することで起きます。物理的な刺激は禁物!美白効果のある薬用化粧品などで気長にケアするのがポイントです。

美白作用のある成分を含ませたアイクリームやシート状のマスクなどが使い勝手が良く、おすすめです。

3.目元のたるみによる「黒いクマ」

目元の乾燥や加齢により、皮膚がたるみ影ができてしまっている状態。上を向くと薄くなるのが特徴です。

化粧品だけではなかなか改善できないのがこのタイプ。保湿ケアやツボ押しで血行を良くするなどが限界となります。

一長一短では解決できない「目元のクマ」。目元のクレンジングの仕方で刺激になり、色素沈着を引き起こす場合もあるので、注意が必要です。目元には目元専用のお手入れをラインナップするのもあおすすめです。

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肌質は大きく分けて「普通肌」「脂性肌」「乾燥肌」「混合肌」の4タイプ、それぞれの悩みに応えるお手入れと成分は?

肌の水分量チェック

よく肌質に合わせたお手入れといいますが、実際にはどのような特徴があるのかわからないという方も多いようです。トラブルが特になく、健康な「普通肌」については一般的なお手入れで問題なし。しかし、体調の変化や環境、季節により「脂性肌」「乾燥肌」「混合肌」と変化することはよくあること。

「脂性肌」「乾燥肌」「混合肌」とはどのような状態の肌のことをいうか簡単に解説していきましょう。

「脂性肌(オイリースキン」は水分は適切だが油分が多い、もしくは両方多い肌

オイリースキン

肌にうるおいや弾力はあるものの、べたつきやテカリが気になる。肌のキメが荒く、毛穴の黒ずみ、化粧崩れ、ニキビができやすいのが悩み。

お手入れのポイント

  • 皮脂を取りすぎない適度な洗顔
  • 水分が足りない場合は、水性成分がメインの化粧水で保湿をしっかり
  • 皮脂分泌が過剰な場合は収れん作用のある化粧水
  • 毛穴ケア(パックや弱いピーリングなど)やニキビケア

乾燥肌(ドライスキン」は油分も水分も両方足りてない肌

ドライスキンの状態

肌はきめ細かい方が多いが、すぐにかさついたり、肌荒れを起こしやすい。ファンデーションのノリが悪い。

お手入れのポイント

  • 汚れはしっかり落としつつ、マイルドな洗顔料を選ぶ
  • 水分をしっかり補給した後、油分で逃げないように保護するお手入れ
  • 保湿成分をたっぷり含ませたシート状マスクなどをスペシャルケアにプラス

混合肌(インナードライスキン」は油分は普通だが水分が少ない、油分が多く水分が少ない肌

肌全体というよりも、Tゾーンはテカっていが頬はかさついているなどの場合が多い。角質が肥厚したりで透明感がなく、くすみやすい。毛穴が目立つなどが悩み。

お手入れのポイント

  • 汚れはしっかり落としつつ、マイルドな洗顔料を選ぶ
  • 油分が多いアイテムは避けて、保水力を高めるお手入れ
  • くすみや毛穴ケア

肌質に合わせてスキンケアラインを持つのか、基本のお手入れにスペシャルケアをプラスする形でラインナップするのか。悩ましいところです。

OEMプロなら、お手入れの組み立てやラインナップについてもアドバイスしてくれるOEMメーカーが参加しています。ぜひ、お気軽に相談ください。

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「敏感肌」とは、さまざまな要因で肌のバリア機能が低下している状態

敏感肌で化粧品を使うとひりひりする

化粧品を使うとチクチクする、ひりひりするという方は意外と多いものです。いつもではなくても、季節の変わり目や体調が悪い場合、紫外線を浴びた後など、一時的に過敏になることも。

生まれつき皮膚が薄くて弱い、アトピー性皮膚炎・光過敏症などの疾患がある場合は、皮膚科での治療が必要。化粧品で対処できるのは、一時的に過敏になっている状態や成分などにアレルギーを起こしやすいタイプの敏感肌になります。

肌のバリア機能を高めるお手入れとは

肌のバリア機能を失うと敏感肌に

まずは肌から水分が失われないようにしっかりと保湿し、油膜で保護してあげること。天然保湿因子(NMF)やセラミド(細胞間脂質)など、皮脂によく似た成分を含むスキンケアを心がけましょう。

肌が弱いからと言ってクレンジングや洗顔を怠ると、ますます肌の機能が低下するので、汚れはしっかりと落としつつ、その後の保湿ケアを万全にするのがポイントです。

肌のバリア機能は化粧品だけではなかなか回復できません。紫外線などの刺激を避ける、生活リズムを整える、栄養バランスを考えた食事も重要。化粧品と合わせてサプリメントとの併用もおすすめです。

OEMプロなら、化粧品と健康食品、両方のOEMをかなえるメーカーも参加しています。ぜひ、お気軽に相談ください。

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化粧品OEMで知っておきたい、お肌の悩み別機能性成分・美容性成分<後編>まとめ

肌の悩みに応えるお手入れをどう組み立てるか

化粧品は、「水」「油」「界面活性剤」のベース成分に加え、機能成分や美容成分を処方することでオリジナリティを持たせることができます。

前編では、医薬部外品(薬用化粧品)としてラインナップされることが多い「お肌の悩み」とそれにこたえる成分について解説、後編では普段のお手入れでよくある悩みや基本的なお手入れについて解説しました。

基本のスキンケア新規事業としてオリジナルコスメを企画する場合、どのような処方にするのかだけではなく、お手入れのステップやラインナップも悩みますね。ぜひ、プロの手を借りながら魅力的な化粧品開発を成功させてください。

化粧品OEMについて詳しく知りたい方、ロットや費用の相場感を知りたい方はこちらをご覧ください。
>>化粧品OEMとは?かかる費用や、OEMメーカーの選び方を徹底解説

▼参考文献
「美肌のために、知っておきたい 化粧品成分表示のかんたん読み方手帳」(発行:株式会社永岡書店)
「美肌成分事典」(発行:株式会社主婦の友インフォス)

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