独自原料開発もOKのOEMメーカー・響にインタビュー!ご当地コスメ開発のコツは?
地域活性化でご当地素材や特産品を使ったオリジナルコスメを開発したいと考える自治体・事業者が増えています。しかし、どこも同じような商品でなかなか差別化が難しいという声も。
今回はご当地コスメや地域ブランドの魅力を活かした化粧品OEMを多数手がけているOEMメーカー・響(ひびき)企画営業部 シニアマネージャーである鈴木貴博さんにインタビュー。
これまでに800社・1,000アイテム以上のOEMをプロデュースしてきたキャリアをお持ちの鈴木さんに、OEM成功の秘訣や独自原料開発の注意点などを伺いました。
「ご当地特産品を使ったオリジナルコスメをつくりたい」「いまある商品をリニューアルして売り上げを伸ばしたい」「他社に相談したけどうまくいかなかった」という方必見です。
独自原料で数々のご当地コスメ開発の実績を持つ響
その地元でしか栽培されていない、生産量が多い農作物を使いたい。伝統的な農作物を未来へ継承したい。廃棄されている農作物に新しい価値をプラスして持続可能な社会づくりに貢献したい。
そんな思いでオリジナルコスメにチャレンジする自治体や農家、事業者の方々のお手伝いをしてきたという鈴木さん。
『15年ぐらい前から相談を受けるようになり、全国のご当地コスメをかなり手掛けています。開発実績や積み重ねてきたノウハウがあるので、他社で断られた案件などいろいろな相談に乗れると思います。
化粧品OEM製造の一環として原料持込・簡易抽出するだけなら無料で対応しています』と鈴木さん。
ただし、独自原料を使用する場合、以下の点を確認する必要があるそうです。
- 抽出したい植物等の種類や使用する部位(花、葉、茎など)を明確にする
- INCI(インキ)や表示名称の登録有無を確認する
- 微生物検査等を実施する
- 植物や農作物の収穫時期や収穫量(安定供給可能かどうか)を明確にする
その上で化粧品に使用できるかどうかを判断し、開発を進めてくれますよ。
最近OEMで注目を集めている化粧品原料は?100%植物由来のエッセンス「生体水」
化粧品、特に化粧水のほとんどは水です。通常なら精製水を使用することが多いのですが、特徴を出すために温泉水や深層海洋水、芳香蒸留水を使ったコスメなども次々と開発されています。
『最近注目されているのは植物の生体水。植物に含まれている水分を真空低温蒸留法などで取り出したものです。りんご、いちご、お茶、レモングラスなどを手掛けたことがあります』と鈴木さん。
植物生体水は、無色透明な香りを持った高機能水として、化粧水の処方に活かすことがおすすめだそうです。合成香料とは違う植物本来の優しい香りが楽しめます。
お花やフルーツなど、地元ならではの素材を活かしたナチュラルコスメを希望する場合におすすめの原料だそうです。
響ではご当地コスメ以外にどんな化粧品OEMに対応してくれる?
響ではスキンケアはもちろん、メイクアップやオーラルケア(口腔化粧品)、エアゾール製品、ボディケア、固形石けん、入浴剤、薬用化粧品など幅広いアイテムのOEMを受託しています。
『自社工場で製造しているのは主にスキンケアですが、それ以外のアイテムでも専用工場としっかり連携し、高品質なものづくりを行っています』と鈴木さん。
また、いろいろな販売チャネルに向けたOEM経験も豊富なので、販路に最適な商品開発のアドバイスも可能とのこと。商品コンセプトに合わせて最適な原料や処方、アイテムなどベストな提案をしてくれるので、どんな化粧品アイテムをつくったらいいのか、ラインナップに迷っている、という場合でも気軽に相談にのってもらえますよ。
響ではオーガニックやエシカルコスメにも対応可能、でも注意点もあります
響ではSDGsに取り組む環境保全活動を行っている団体のオーガニックコスメOEMを長年担当しています。最近はオーガニックはもちろん、エシカルコスメやクリーンビューティ、ビーガンコスメなどの相談を受けることも増えてきたそう。
『化粧品のトレンドとして、オーガニックやエシカルをテーマにしたコスメは確かに注目を集めています。しかし、イメージ先行で開発しようとする失敗します。
オーガニックやエシカル、ビーガンというのは、ライフスタイルそのものであり、衣食住にかかわること。開発者自身がそのライフスタイルを実践していないと、本当に“求められているもの”がわからないし、心に響くメッセージを届けることが難しいからです。
オーガニックや植物由来原料を使っていればなんでもOKというものではないので、依頼される方が本当に理解しているのか、環境保全への取り組み方などをきちんと伺った上で、場合によってはお断りする場合もあります』と鈴木さん。
目先の売り上げやトレンドに左右されるのではなく、オーガニックやエシカル消費、ビーガンへの理解や共感が成功させる大事なポイントといえそうです。
化粧品OEMを成功させるためには“実直”さとしっかりとした“ビジョンを持つ”こと
鈴木さんがこれまでのOEM経験から感じていることは、ビジョンをしっかり持っている人は失敗しにくいということ。
『なぜその化粧品をつくりたいのか、目的・ターゲット・狙いなどをきちんと描けていることが大切です。“この成分を使いたい”というこだわりはよいのですが、なぜ使いたいのか、目的・狙いがはっきりしていないと、時間と共にブレていく可能性があります。
“流行っている・最先端の成分だから”ではなく、肌のこんな悩みに応えたいという発想が出発点であることが大事。流行っている・最先端は刻々と変わっていきますので、開発している途中でもう競合がいっぱいということになってしまいます』
それから、広告宣伝や販売方法でも重要なポイントがあるといいます。
『商品の実力以上に見せかけるのはダメ。使い心地や使用感などを誇張し、良く見せかけたいと思うのはわかるのですが、期待させすぎると使った後のがっかり感が大きくなります。
商品の特性をありのままに誠実に伝えること。そして、ブランドイメージや商品のストーリーをわかりやすく伝えることが大切だと思います』とおっしゃっていました。
また、最近よくある依頼が“〇〇みたいなやつ作って”という相談です。参考商品として名前を上げるのは問題ないのですが、似せて作ったところで後発では勝ち目はありません。
『〇〇商品の何を真似たいのか。ターゲット層、使用感、価格帯、使い心地なのか、どんなところに共感してもらうのかを明確にする必要があります。
サロンなどでいままで仕入れていた化粧品をOEMで自分オリジナルにしたいというのはOK。オーナーさんなりのこだわりがきちんとあり、OEMにすることで商品ラインナップや使用感など、理想を叶えることができますし、コストダウンも図れると思います』
作りたいアイテムがある場合はその理由と販売目的を、成分にこだわるならその目的と狙いを明確にすること。化粧品販売は景気に左右されない、リピート販売が期待できる業界とよく言われていますが、いいものを作れば売れるというものでもありません。
化粧品ビジネスに参入し、成功させたいのであれば、自分なりの信念をしっかりと持つことはとても大事なことだと感じました。
響の化粧品OEMはここが違う!一つ上の提案と無駄のない進め方
響へ相談する事業者の9割は“化粧品OEMは初めて”だそうです。
『初めてオリジナル商品を作り、売るというのはなかなか難しいものです。物販経験が豊富だけど、化粧品が初めてということならまだしも、まったくゼロからという方もいらっしゃいます。
これまで手掛けてきた化粧品OEM経験を基に、実感していただきやすい処方や使用感の良いものなどのデータがありますので、悩んでおられる場合はこちらから提案することもできます』と鈴木さん。
例えば化粧水だけOEMでつくりたい、という相談を受けた場合でも、より収益を上げられるものとして、美容液と化粧水の中間ぐらいに位置づけた“美容化粧水”を提案することもあるそうです。
『オリジナルの化粧水というだけでは個性を出しにくいですし、ライバルもたくさんいます。美容液ほど高くなく、化粧水よりは保湿力の高い中価格帯を狙ったアイテムは、まだ需要拡大が望めますので、そういう提案をすることもあります』
響ではお客様目線で常にプラスアルファのアイデアを提供できるよう心がけているとか。
また、事業者とOEMの打ち合わせをする場合は、原料を供給する会社、容器・パッケージなどを扱う会社などすべて一緒に参加して進めていくスタイルをとっているそうです。
『いろんな要素をバラバラに打ち合わせるのではなく、一つの商品・ブランドづくりに関わるすべての担当者が一堂に会して進めることで無駄がありません。お客様も知りたいことや疑問に思っていることなど、その場で解消することができます。
一緒にいいものを作っていこう、というモチベーションアップやお互いの信頼関係を築くこともできると思います』とおっしゃっていました。
響では、使用感がよく、肌実感の高い処方をリスト化・体系化する作業を進めているとのこと。ユーザー評価を基に”こういう目的・狙いにはこのレシピ”というのを見える化し、そこをベースにブランドごとの個性や味付けをプラスすることで、スムーズに失敗なくオリジナルコスメを完成させていくことができます。
響ではご当地コスメはもちろん、ドクターズコスメやアパレルブランド、美容師、エステティシャン、通販業者など、いろいろな事業者の要望に応えていきたいとのこと。
初めてだから、物販経験がないなど、化粧品OEMを躊躇している方、ぜひ一度相談してみてはいかがでしょうか。
OEMメーカー・響にお任せする場合、最小ロット数や費用は?
『アイテムにもよりますが、容器や化粧箱、パッケージ印刷を考えると、最低でも1,000個から、予算は80~100万円ぐらいが理想ですね』と鈴木さん。
テスト販売なら化粧水や美容液等で200本、30万円ぐらいからでも可能な場合があるそうです。しかし、しっかり利益を確保していくなら、3,000~10,000個ぐらいが経済ロットとのこと。
鈴木さんは最近、次々と新しい化粧品が誕生する中で、商品寿命がどんどん短くなっていると感じるそうです。
響ではすでに販売している商品のリニューアルやコストダウンなどの相談にも積極的に応じているそうなので、売り上げが伸び悩んでいる、もっとランニングコストを圧縮したい場合も、ぜひ問い合わせてみましょう。
■取材協力
株式会社 響
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