育毛やアンチエイジング市場を席巻!ヒト幹細胞培養液は売れるコスメOEMの救世主となるか?【市場トレンドリサーチ(3)】

育毛やアンチエイジング市場を席巻!ヒト幹細胞培養液は売れるコスメOEMの救世主となるか?【市場トレンドリサーチ(3)】

より美しく、いつまでも若々しくありたい。肌への悩みは尽きません。そんな中、アンチエイジングをテーマとする化粧品開発は大ヒットコスメを生み出す重要なポイントのひとつ。各化粧品メーカーがしのぎを削る分野でもあります。

2011年7月には「乾燥による小じわを目立たなくする」という効果効能を訴求できるように。また、医薬部外品(薬用化粧品)として承認を得たものに関しては、しわの改善をアピールできるようになりました。

しかし、肌が失ったものを補填するだけのスキンケアでは、根本的な解決にはいたりません。

そんな中で新たな注目を集めているのが再生医療の研究から生まれた「ヒト幹細胞」です。今回は、脂肪由来や臍帯血(さいたいけつ)、歯髄(しずい)など様々な組織由来のヒト幹細胞培養液が化粧品原料として供給され、活性化するコスメマーケットの実情を詳しくレポート。売れるコスメOEMの企画のヒントになれば幸いです。

新規で化粧品ビジネスを始めたいと考えている方、OEMについて詳しく知りたい方、ロットや費用の相場感を知りたい方はこちらも参考に。
>>化粧品OEMとは?かかる費用や、OEMメーカーの選び方を徹底解説

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ヒト幹細胞とは?どんな種類がある?

ヒト幹細胞とはどんなもの

ヒト幹細胞とはどんなもので、コスメに応用した場合、どんなメリットがあるのでしょうか。まずはヒト幹細胞について詳しくみてみましょう。

幹細胞とは2つの機能(能力)を持つ細胞のこと

「幹細胞」には、まったく同じ能力を持つ細胞に分裂することができる“自己複製能”と、自分とは異なるさまざまな細胞を生み出す“分化能力”と、2つの機能(能力)を持つ細胞のことをいいます。このため、損傷してしまった組織の再生などに役立つとして、再生医療の分野で注目を集めています。

幹細胞には以下、3つの由来があります。

  1. 受精卵=ES細胞
  2. 線維芽細胞などに遺伝子導入=iPS細胞
  3. 成体の各種臓器=体性幹細胞

ES細胞はほぼすべての組織になりうる可能性があり、1981年頃から研究が進められているものです。iPS細胞は2006年8月に京都大学・山中伸弥教授などが世界初の作製に成功。2012年にノーベル医学・生理学賞を受賞しました。

体性幹細胞は骨や軟骨、血管、心筋細胞に分化できる能力をもつ細胞。抗炎症作用や増殖因子誘発作用、血管新生促進作用などを持ち、組織の修復に重要な役割を果たすことが報告されています。

ヒト幹細胞とは、ヒト由来の幹細胞を意味します。

再生医療の現場では使用する幹細胞を培養し、取り出した後、その培養液は捨てられてきました。しかし、培養液にも幹細胞と同等の細胞伝達物質が含まれており、肌そのものの機能を再生させる力があるのではないかと考えられ、研究が進められました。

その結果、有益なデータが得られたため、ヒト幹細胞培養液を化粧品に活かした「ヒト幹細胞コスメ」という新しいジャンルが誕生したというわけです。

ヒト幹細胞の種類とは?最近では植物幹細胞、動物幹細胞も登場

ヒト幹細胞は、皮下脂肪から採取した脂肪由来のものが最もポピュラーです。その他にも歯髄由来、臍帯血由来などもあります。

最近では、植物の生長に関係する種子の胚・根の先端、茎の付け根などに存在する植物幹細胞が利用される例も。

生命力の強いアルガンツリー
アルガンツリー

収穫後4か月たっても腐らないスイスのリンゴ(ウトビラー・スパトラウバー)、何年も雨が降らなくても枯れないモロッコのアルガンツリーなどから抽出され、高い抗酸化力や保湿力で人気を集めています。

また、動物由来の幹細胞としては、ヒトの皮膚幹細胞に構造がよく似ていることから、羊の毛根や豚・馬などの胎盤から採取された幹細胞も登場。プラセンタエキスなどとして活用されています。ただ、体質によりアレルギーを引き起こす可能性があるのが難点です。

ヒト幹細胞を応用したコスメとは?原料に使われるのは“ヒト幹細胞培養液”

ヒト幹細胞培養液を使用したコスメについて

化粧品業界でも肌の再生を促すヒト幹細胞を応用したコスメの開発は進んでいます。化粧品原料としてはヒト幹細胞そのものではなく、ヒト幹細胞が分泌する成長因子・細胞活性化物質を豊富に含む“ヒト幹細胞培養液”を使用

幹細胞を培養した際に分泌された成分から、ヒト幹細胞を完全に除去して精製するので、異物が体内に侵入した際の免疫反応や拒絶反応は起こらないという点でも安心できます。

ヒト由来のものであるため、肌になじみやすいこと、細胞の持つ機能を活性化させる力が高いなど、メリットがいっぱい。ヒト幹細胞培養液に期待されている効果には以下のようなものがあります。

  • ●新しい細胞の増殖を促し、活性化することでハリのある肌に
  • ●ターンオーバーを正常にし、肌の生まれ変わりをスムーズに
  • ●肌自ら美容成分をつくりだす力を引き出す

つまり、いままでの「不足しているものを補う」という対処療法的なスキンケアから、肌自ら美しく・健康になる力を活性化させるという攻めのスキンケアへ。発想・アプローチの転換が注目されるポイントとなっています。

ヒト幹細胞培養液には具体的にどんな成分が含まれている?働きとそのメカニズムをもっと詳しく

ヒト幹細胞培養液には様々な生理活性物質(成長因子=サイトカイン)や組織再生に欠かせないたんぱく質が500種類以上と豊富に含まれています。

サイトカイン・鍵と鍵穴の関係

私たちの細胞表面には、特定の形をしたカギ穴(レセプター)があり、そのカギ穴にピッタリ合うカギ(リガンド)となる物質が結びつくことで活性化されます。

サイトカインは、この細胞の受容体と結びつく鍵の役割を果たすもの。細胞や組織が再生するためにエンジンをかけてくれる重要な働きをしているのです。

サイトカインには、肌や組織の修復、発毛、育毛などを促す細胞増殖因子・成長因子などたくさんの種類があり、エイジングケアや薄毛の改善への期待大!このサイトカインを多く含むヒト幹細胞培養液は、まさに化粧品業界にとって、いま最も熱いコスメ原料となっているのもうなづけますね。

ヒト幹細胞培養液は「ヒト幹細胞培養上清液」と違う!?化粧品原料としてはほぼ同じもの

「ヒト幹細胞培養液はまがいもので、ヒト幹細胞培養上清液こそが本物」と誤解をする方が続出。培養液は単なる細胞を育てるための“培地”であり、サイトカインなどの生理活性物質は含まれない、という間違った認識が生まれてしまったようです。

しかし、化粧品原料として使用されているヒト幹細胞培養液は、幹細胞そのものを含有しないものという定義であり、培養した後の液として活用されているもの。

いずれもサイトカインなどの生理活性物質を含んでおり、「ヒト幹細胞培養液」も「ヒト幹細胞培養上清液」もほぼ同じ意味合いで使われています。

化粧品原料としての表示名は「ヒト幹細胞順化培養液」「ヒト脂肪細胞順化培養液」「ヒトサイタイ間葉幹細胞順化培養液」「ヒト角化細胞順化培養液」など、由来によりいくつかバリエーションはありますが、上清液は別物という扱いはされていません。

製法などにより、含有成分や品質などに優劣はあるかもしれませんが、どちらもヒト幹細胞コスメの原料として有益なものであることには変わりないのでご安心を。

何に由来するかにより、各メーカーで差別化を図るヒト幹細胞培養液

ヒト幹細胞培養液の種類やバリエーション

化粧品原料として利用されるヒト幹細胞培養液には、脂肪由来、歯髄由来、臍帯血由来などがあります。それぞれが持つ特徴や製法などについてダイジェストに紹介しましょう。

脂肪由来ヒト幹細胞培養液の特徴

皮下脂肪組織から採取した幹細胞を培養し、幹細胞を取り除いた培養液(上清液)。

採取数が多いので無理なく培養できること。そして、古くから活用されてきたものなので研究や論文数が多く、成果や安全性が確かめられているのがメリットです。

原料供給メーカーとしては、アンチエイジング株式会社が有名。ヒト幹細胞培養液のパイオニアとして、ローリングボトル培養法を採用し、通常の培養と比較して10倍以上のたんぱく質やエクソソーム含有に成功しています。

歯髄(しずい)由来ヒト幹細胞培養液の特徴

歯髄は歯の神経にあたる部分

歯の中心部にある歯の神経から採取した幹細胞を培養し、幹細胞を取り除いた培養液(上清液)。

歯の硬い層で守られているため、遺伝子に傷がつきにくく良質な幹細胞が得られるのがメリット。加齢とともに減少するため、乳歯や若い時に抜いた親知らずなどが最適といわれています。

歯髄細胞バンク事業を行う株式会社セルテクノロジーの子会社、株式会社レムケアがドクターズコスメ向けに供給。

また、同じ再生因子を無限に培養できる“不死化”技術(国際特許取得済)で培養された「不死化ヒト乳歯歯髄幹細胞培養上清液」を使用したドクターズコスメ「KUJIME FUSHICA SERAM(株式会社共立ドクターズラボ)」が2022年1月に上市されています。

臍帯血(さいたいけつ)由来ヒト幹細胞培養液の特徴

お母さんと赤ちゃんをつなぐへその緒=臍帯の血液から採取した幹細胞を培養し、幹細胞を取り除いた培養液(上清液)。

化粧品原料で使われているのは臍帯ではなく、臍帯血から抽出した幹細胞を培養したものです。現在、国内で流通している臍帯血由来の多くは海外製(外国人ドナー)が主流。

株式会社ホルスでは、2021年5月より新原料「ホルス サイタイ血幹細胞培養液」を上布しました。日本人由来の臍帯血に含まれる幹細胞を使用し、採取から製造まですべて日本国内で行っており、世界で初めて表示名称「ヒトサイタイ血幹細胞順化培養液」とINCIを取得。

サイトカインが豊富に含まれ、エクソソーム量の含有も多いと注目を集めています。

この他、iPS細胞培養上清液(ヒト幹細胞人工多能性細胞順化培養液)なども登場するなど、今後も新原料ラッシュは続きそうですね。

ヒト幹細胞コスメ、国内化粧品メーカーの動向

アンチエイジングの鍵となるヒト幹細胞コスメマーケット

化粧品原料としてのヒト幹細胞培養液についての研究開発は、再生医療研究が進むアメリカや韓国が先行。日本では2012年頃からアンチエイジング株式会社が業界に先駆けてヒト幹細胞培養液の発売を開始しました。

2014年12月には、幹細胞培養液配合の商品を品質保証する目的で(一社)ヒト幹細胞培養液認証協議会が設立されました。認証マークの発行も行われるようになっています。

国内の大手化粧品メーカーでも、ヒト幹細胞コスメを販売。中でも、アルビオンは2002年から、日本メナード化粧品は2003年から、業界に先駆け幹細胞研究をスタートさせてきました。

業界最大手の資生堂も2004年から着手した幹細胞研究を活かしたクリームを2012年10月に発売。今後は各メーカー、幹細胞に着目した化粧品の発売が増えていくといわれています。

また一方で、植物の幹細胞に着目した美容成分(植物幹細胞成分)を用いたコスメも見逃せません。

アルガンツリーの新芽の幹細胞を培養した「アルガン培養エキス」やスイス産ウトビラー・スパトラウバー「リンゴ幹細胞エキス」以外にも、スイス・アルプスに生育するアルペンローゼやエーデルワイス由来の植物幹細胞エキスなど、次々と新原料が開発され、話題を呼んでいます。

ヒト幹細胞と植物幹細胞を組み合わせたハイブリットコスメなど、新しい切り口で魅力的な化粧品OEMを企画できそうですね。

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ヒト幹細胞コスメの分野はまだこれからというジャンル。アンチエイジングだけではなく、発毛や育毛などのヘアケアに対する期待値も大きいのが魅力です。

初めて化粧品を企画・開発する場合に大きなハードルとなる「化粧品製造業許可」「化粧品製造販売業許可」のライセンスを取得することなく、新規ビジネスを始めるなら化粧品OEMメーカーを活用するのがおすすめ。

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