化粧品開発のキーワードは“エシカル消費(SDGs)” 人・社会・地域・環境にやさしいコスメをOEMで叶える【市場トレンドリサーチ(2)】

化粧品開発のキーワードは“エシカル消費(SDGs)” 人・社会・地域・環境にやさしいコスメをOEMで叶える【市場トレンドリサーチ(2)】

化粧品に対する価値観が変わってきています。かつては高級感やブランド力、ネームバリューが重要でしたが、最近では“消費行動”そのものに価値を置く傾向が顕著です。

最近よく耳にする“エシカル消費”やSDGsということばは、化粧品を企画・開発する上で無視できないキーワード。今回はこれらの用語を解説するとともに、こらからの消費行動にフィットする化粧品企画・開発のヒントについてご紹介します。

新規で化粧品ビジネスを始めたいと考えている方、OEMについて詳しく知りたい方、ロットや費用の相場感を知りたい方はこちらも参考に。
>>化粧品OEMとは?かかる費用や、OEMメーカーの選び方を徹底解説

エシカル消費・SDGs(持続可能な開発目標)とは?

SDGsやエシカル商品について解説

エシカル消費やSDGsは最近特によく耳にすることばです。具体的にどのような消費行動や考え方なのでしょうか。

エシカル消費とは、地球環境の保護や社会、地域、人へも配慮した商品を購入すること

エシカル消費とは“Ethical=倫理的な”消費行動のこと。つまり、法律などで定められていることではなく、多くの方が正しいと考えている消費行動を意味します。

つまり、自分たちが使用する商品そのものだけではなく、その商品が製造されている場所や労働環境、開発の背景などに対しても興味・関心をもち消費行動を行うこと。

激安価格で販売するため、劣悪な労働条件で働かされている人がいる。動植物の絶滅や環境汚染につながるような製造プロセスである。そういった人権侵害や環境問題に対し、厳しい目が向けられるようになりました。

特に欧米では顕著で自分たちさえよければそれでよいという考え方ではなく、地球環境の保護や社会、地域、人へも配慮した考え方、行動すること。

具体的には「環境に負荷をかけない商品を購入する」「人権を侵害するような(助長するような)商品は購入しない」「地域の特産物や伝統的な文化を継承する商品を選ぶ」ことであり、これらの消費行動を“エシカル消費”と呼んでいるというわけです。

”エシカル消費”はSDGs(持続可能な開発目標)を達成するためのひとつ

SDGsの17の目標

SDGsとは“Sustainable Development Goals=持続可能な開発目標“のこと。“誰も置き去りにしない世界”を目指し、2015年9月の国連サミットで採択され、193か国の加盟国が取り組むことになった17の目標をいいます。

  1. 貧困をなくそう
  2. 飢餓をゼロに
  3. すべての人に健康と福祉を
  4. 質の高い教育をみんなに
  5. ジェンダー平等を実現しよう
  6. 安全な水とトイレを世界中に
  7. エネルギーをみんなに そしてクリーンに
  8. 働きがいも経済成長も
  9. 産業と技術革新の基盤をつくろう
  10. 人や国の不平等をなくそう
  11. 住み続けられるまちづくりを
  12. つくる責任 つかう責任
  13. 気候変動に具体的な対策を
  14. 海の豊かさを守ろう
  15. 陸の豊かさも守ろう
  16. 平和と公正をすべての人に
  17. パートナーシップで目標を達成しよう

このうち、12番目の目標である「つくる責任 つかう責任」という項目が、エシカル消費であり、欧米諸国に比べ日本での取り組みが遅れているといわれているテーマになっています。

化粧品業界でのSDGsはどこまで進んでいる?

化粧品業界におけるエシカル消費・SDGsはどのぐらい進んでいるか

化粧品業界でもエシカル消費やSDGsの波は抗えない大きなムーブメントになっています。各メーカー・ブランドで取り組んでいる主な例は以下の通りです。

  • ●オーガニックやナチュラルコスメである
  • ●動物実験を行わない
  • ●フェアトレード製品である
  • ●人体や環境に悪影響を与える成分を使用しない
  • ●アップサイクル原料を積極的に採用する
  • ●地域の活性化や伝統を未来へ継承するご当地コスメ
  • ●サスティナブルな容器を採用している

それぞれをダイジェストにご紹介していきましょう。

オーガニックコスメ・ナチュラルコスメの先駆け「Melvita(メルヴィータ)」

人や環境へのやさしさを突き詰めていくと、有機栽培された自然と調和する植物原料に行きつきます。オーガニック認証を取得したコスメも次々と開発。

フランス発祥の「Melvita(メルヴィータ)」は世界に先駆け、エコサート・コスモスオーガニック認証を受けた化粧品として大人気。中でもアルガンオイルは国内でもトップクラスの売り上げを誇るヒット商品となりました。

メルヴィータは2025年までに製品ボトル100%で再生プラスチック使用を目指す
メルヴィータジャポン(プレスリリースよより)

原料採取や生産、どのプロセスにおいても環境への負荷を最小限に。原料調達方法もフェアトレードを実践し、保護プロジェクト活動にも積極的に取り組むなど、サスティナブル活動に積極的に取り組んでいます。

オーガニックコスメ開発を希望する方は、以下の記事も参考になさってください。

オーガニックコスメとは?主な認証制度について解説!おすすめの化粧品OEMメーカー5選

動物実験を行わないブランドとして20代から支持される「ラッシュ」「ザボディショップ」

「ザボディショップ」の創業者であるアニータ・ロディックは、環境保護や人権の活動家としても有名。動物実験に反対するキャンペーンに取り組んできたことで、化粧品の動物実験がEU全体で禁止されるきっかけにもなりました。

20代を中心に人気を集めている「ラッシュ」も創立以来、化粧品のための動物実験に反対しているブランド。化粧品開発に際し、既存の基準から外れる成分や配合量を使用する場合、動物実験から得られたデータ提出が求められることから、問題視されています。

いずれのブランドも野菜や果物を使用した100%ベジタリアン対応のナチュラルコスメブランド、ほとんどのアイテムにおいてヴィーガン対応であることが特徴。容器のリサイクル化や簡易包装などを推進し、若い世代の支持を集めています。

フェアトレード(対等な取引)で女性の経済的な自立を支援する「ロクシタン」

ロクシタンは女性の自立を促す基金を設立
ロクシタン・ジャポン(プレスリリースより)

ロクシタンは1980年代に化粧品の原材料として使われるシアバターの原産国ブルキナファソで支援活動をスタートさせたブランド。ブルキナファソは世界最貧国のひとつであり、シアバターの実を収穫を許されているのは女性のみであることから、彼女たちの暮らしや労働条件の改善を目指す取り組み、公正なパートナーシップ確立に尽力してきました。

ロクシタン基金を立ち上げ、現地教育や起業を支援するプロジェクトを通じ、女性の経済的自立を促進しています。

この他にも「ラッシュ」がガーナ共和国の女性自立支援に取り組む他、イブサンローランやランコムなどのメジャーなメーカーもフェアトレードへの取り組みを行っています。

人体や環境に悪影響を与える“マイクロプラスチック”や紫外線吸収剤、キレート剤などの不使用を推進

サンゴ礁に有害といわれる紫外線吸収剤「オキシベンゾン」「オクチノキサート」を含む日焼け止めが問題になっています。ハワイやパラオ、オーストラリアなどでは使用禁止に。

メルヴィータのUVケアは紫外線吸収剤不使用
メルヴィータジャポン(プレスリリースより)

コパトーンやニールズヤードレメディース、メルヴィータなどがこれらの成分を含まない日焼け止め製品を発売しています。

また、海洋汚染で最も問題になっているのがマイクロプラスチック問題。歯磨き粉に含まれる研磨剤、スクラブ製品、アイシャドウのグリッター(ラメ素材)が代表的な化粧品です。

生分解性グリッターを開発し、話題を呼んだのが韓国コスメブランド「UNLEASHIA(アンリシア)」。動物実験なし、動物性成分不使用のヴィーガンコスメとしても人気です。

国内では味の素(株)が開発した肌にやさしいアミノ酸系機能素材として「アミホープ(R)LL」を開発。やわらかくしっとりした感触と肌への密着感をよくする働きでフェイスパウダーなどに使われています。

味の素はマイクロプラスチックビーズ代替品を開発
味の素(プレスリリースより)

この「アミホープ(R)LL」の機能を自然由来の球体分子に付与することに成功。マイクロプラスチックビーズと同等の感触・機能を持つ素材として2022年度上期に発売を予定しています。

キレート(金属封鎖)剤は石けんによく使われる成分。生分解されないことから、主にヨーロッパで問題視されています。

人へのやさしさはもちろんですが、環境への負荷にも配慮したコスメ開発は今後も注視されていくことでしょう。

アップサイクル原料を積極的に採用する「ザボディショップ」「UGLYCHIC(アグリーチック)」など

“Upcycle=アップサイクル”とは、リサイクルの進化系で、廃棄物や不要になったものに手を加え、そのものの価値を高めることをいいます。リサイクルは廃棄物をいったん資源の状態に戻した後、再商品化しますが、アップサイクルはそのままの素材や特徴を活かして商品化するのがポイント。

リサイクルよりも再生処理に手間がかからず、コストも抑えた上で商品価値を高めているのが特徴となっています。

資生堂「バウム」
アップサイクル木材を使用する資生堂「バウム」(プレスリリースより)

化粧品業界においても次なるSDGsトレンドとしてこのアップサイクルに注目が集まり、前述のザボディショップの他、韓国のUGLYCHIC(アグリーチック)、ラッシュ、ヴェレダ、資生堂(バウム)などでも取り組みが進んでいます。

地域の活性化や伝統を未来へ継承するご当地コスメ

欧米に比べ、SDGsへの取り組みが遅れているといわれている日本でも、地域活性化やご当地素材を活かした化粧品開発で、エシカル消費を推進する動きが活性化しています。

北海道でホタテの養殖が盛んな八雲町で、貝殻の廃棄処分が深刻化していた時代。土壌汚染の原因となる貝殻を原料とした肥料開発や土壌改良剤、洗濯用洗剤、歯磨き粉などを開発した「ホクエイ」の事例が有名です。

現在では歯を白くする成分として有名になっている「ハイドロキシアパタイト」をホタテの貝殻から作ることに成功。ホクエイと北海道大学名誉教授との共同開発です。

最近ではワイン用ぶどうの副産物を化粧品化した「Earth ∞ You(アースアンドユー)」が発売。選定された摘芯や枝葉から「レスベラトール(ポリフェノールの一種)」を高濃度に含有する原料を開発し、美容成分として配合しています。

アースアンドユーの化粧品
アースアンドユー(プレスリリースより)

この他にも食品加工のプロセスで廃棄されてきた農作物を化粧品原料として活用したり、その土地でしか栽培されていない植物の継承を目的としたコスメを開発するなど、サスティナブルな取り組みが増えています。

ご当地素材などを化粧品原料化したいと考えている方は、以下の記事も参考になさってください。

オリジナル原料開発が得意な化粧品OEMメーカー5選!独自成分でオンリーワンコスメを実現

サスティナブルな容器が次々開発!紙製のチューブ容器なども登場

オーガニックやナチュラルコスメ製品に使われる容器類は、生分解性プラスチックやリサイクルしやすいガラス製容器などが使われるケースが多いと思います。

大手メーカーでも包装の簡素化やプラスチック容器をやめる、使用済みの容器を回収して再生するなどが進められており、今後ますます化粧品業界全体で取り組みが加速するのは間違いありません。

凸版印刷が開発したキューブパックTM
凸版印刷(プレスリリースよより)

そんな中、凸版印刷で開発された紙パック「キューブパックTM」は、浴室や洗面所でも使用できるプラスチックボトルとほぼ同等の耐水性を実現した容器。紙パックでありながら、ポンプを中央に取り付ける形状も可能ということで注目を集めています。

また、共同印刷からはチューブ胴体の一部に紙を使用したラミネートチューブを開発。容器全体でプラスチック使用料の約10%を軽減するなど脱プラスチック化を推進しています。

オーガニックコスメから一歩踏み込んだ“クリーンビューティ”や“サスティナブルコスメ”に注目

欧米などのコスメ業界でいま最も注目を集めているのが“クリーンビューティ(Clean Beauty)”というキーワード。人や環境に悪影響を及ぼす成分を使用しない化粧品のことをそう呼んでいます。

そして、サスティナブルコスメはクリーンビューティであり、動物実験や社会問題に対しても配慮された化粧品を意味することば。このため、ハラールコスメやヴィーガンコスメが今後ますます注目を集めていくといわれています。

韓国のブランド「TOUN28(トーン28)」などは、オーガニック原料を多く使用し、化学成分は一切使用しない自然派スキンケアですが、あえてオーガニック認証を取らずその分の費用を化粧品価格に上乗せしない方針を打ち出しています。

商品の過剰包装なども行わず、自社で紙製容器を独自開発。プラスチック使用量の92%を削減(キャップに使用したプラスチック部分は100%リサイクル可能なもの)しています。

国産ブランドとしても「精進コスメ」は日本の伝統的な化粧品原料を用いながら、ハラール認証・ヴィーガン認証を取得したメイクアップブランド。今後どのような成長を遂げていくか楽しみな化粧品となっています。

ハラール認証について詳しくは以下の記事を参考になさってください。

ムスリム向けコスメ開発に有効なハラール認証制度について解説!対応可能な化粧品OEMメーカー5選

新規で化粧品業界参入を考えているなら化粧品OEMメーカーを活用しよう

OEMプロにお任せください

知名度やブランド力がある化粧品だけではなく、エシカル消費をテーマとしたサスティナブルコスメという新しい潮流が始まっています。これまで化粧品業界では見向きもされなかったアップサイクルというテーマで、新しいコスメブランドを立ち上げるというチャンスも。

初めて化粧品を企画・開発する場合に大きなハードルとなる「化粧品製造業許可」「化粧品製造販売業許可」のライセンスを取得することなく、新規ビジネスを始めるなら化粧品OEMメーカーを頼ってみては?

化粧品業界の最新情報にも精通し、オーガニックやヴィーガン、ハラール認証取得も可能なOEMメーカーも存在します。また、廃棄されてきた素材を使用して化粧品原料としてよみがえらすということも得意なメーカーも。

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