【化粧品OEMに欠かせない基礎知識10】日焼け止めにはどちらが有効?「紫外線吸収剤・紫外線散乱剤」について解説

【化粧品OEMに欠かせない基礎知識10】日焼け止めにはどちらが有効?「紫外線吸収剤・紫外線散乱剤」について解説

紫外線は日焼けの問題だけではなく、肌を老化させるものとして美容の大敵とされています。近年オゾン層の破壊が進み、肌の深部にダメージを与えるUVBの量が増加。このため、365日紫外線をブロックするケアは必須な時代になりました。

紫外線をブロックする方法は2種類ありますが、肌を刺激する、環境破壊につながると問題視されているのが「紫外線吸収剤」です。

今回は紫外線を防ぐメカニズムと成分について解説していきます。

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地球上に降り注ぐ紫外線は3種類ある

紫外線の種類について解説

白色人種に比べ、メラニン色素が多い黄色人種である日本人は紫外線の影響が少ないことがわかっています。しかし、地球上に降り注ぐ紫外線の量は年々増加しており、皮膚がんや白内障などのトラブルが増加。日本人も無関係とはいえなくなりました。

紫外線は地球上に届く太陽光線の中でも、高いエネルギーを持つ波長が短い光のこと。以下、3タイプの紫外線があります。

  • UVA:315~400nmの波長を持つ、肌の真皮層にダメージを与える(光老化)
  • UVB:280~315nmの波長を持つ、肌に炎症を起こして日焼けさせる
  • UVC:100~280nmの波長を持つ、オゾン層でほとんど吸収

季節や場所により紫外線の量は変化

夏は紫外線が強くなるといわれていますが、それは太陽の高度に関係しています。また、赤道に近い地域、高地になるほど紫外線量は増加。特にUVAは4月から増加し、9月頃まではたくさん降り注ぐので注意が必要です。

日焼け止めに書かれている「PA」と「SPF」とは?

UVケアのSPFとPAとはどんなもの?

日焼け止めによく書かれている紫外線防止効果を示す数値、「PA」「SPF」とはどのようなものかご存じですか?「PA」は紫外線のUVAをブロックする効果について数値化したもので、「SPF」はUVBをブロックする効果を数値化したもの。

「PA」は「+」の数で4段階あり、「+」が多いほど防止効果が高まり、「SPF」は1~50の数値で表し、数字が大きいほど防止効果が高くなります。

紫外線を防ぐ効果の高いものは肌へ負担をかけてしまいます。日常生活や買い物程度であれば、数値が低くても問題ありません。むしろこまめに塗り直した方が防御率は高いです。

実は目からも日焼けする!?サングラスをするなら薄い色のレンズが効果的

サングラスは薄い色がおすすめ

紫外線は目にもダメージを与えます。さらに目の炎症を脳が察知すると、防衛反応として肌のメラニンを生成してしまいます。

目に入る紫外線をブロックするにはサングラスが有効ですが、濃い色のレンズだと瞳が開いてしまうため、より紫外線を取り入れてしまいます。サングラスは薄い色を選ぶのがベスト。最近ではUVカット効果のある透明なレンズもあるので、仕事中はこちらを活用するといいですね。

紫外線をブロックするUVケア商品を開発する場合、使用場面や用途により「PA」「SPF」をどのぐらいに設定するかが変わります。詳しくは化粧品OEMメーカーと相談しながら最適な処方にするのが大切。ぜひ、気軽に相談してみましょう。

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紫外線を防ぐ成分は「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」の2種類

紫外線吸収剤と散乱剤それぞれの防御作用について

紫外線が肌に直接届かないようにするには、成分そのものが紫外線を吸収する「紫外線吸収剤」と、肌表面で反射させて防ぐ「紫外線散乱剤」の2タイプあります。

最近では紫外線防御効果をサポートする役割で、抗酸化剤を併用する方法が取られることが多くなりました。紫外線が肌を酸化させる(活性酸素発生)影響をやわらげ、光老化を防ぐ方法です。

ここでは「紫外線吸収剤」「紫外線散乱剤」それぞれの成分と特徴を紹介します。

1.紫外線を熱エネルギーなどに変換し、肌に届くのを防ぐ「紫外線吸収剤」

成分 特徴 紫外線の種類
オキシベンゾイン(オキシベンゾン₋3)、オキシベンゾン₋4、オキシベンゾン₋5 ・オキシベンゾン₋3は自然界にも存在する成分で化粧品は合成されたものを使用
・それぞれポジティブリストで配合量に制限あり
・サンゴを白化させる、内分泌かく乱物質であるとして欧米では規制する動きもある
UVA/UVB吸収
メトキシケイヒ酸エチルヘキシル(オクチノキサート) ・古くから世界中でよく利用されている成分のひとつ
・ポジティブリストで配合量に制限あり(パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシルの基準)
・欧州ではサンゴの白化や環境ホルモン様作用への懸念から規制する動きもあり
UVB吸収
t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン(アボベンゾン) ・きのこの一種であるシロキクラゲから抽出される多糖類
・ポジティブリストで配合量に制限あり
・UVB防御効果のある成分(メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、オクトクリレン)とよく併用される
UVA吸収
オクトクリレン ・防御力が各段に高いわけではないので、他の成分の補助的に使用される
・ポジティブリストで配合量に制限あり
・化学的に反応しやすいので、できれば避けたい成分
UVB吸収
サリチル酸エチルヘキシル ・紫外線で劣化しやすい成分に対し、退色・変色防止で配合されることもある
・ポジティブリストで配合量に制限あり
UVB吸収
ポリシリコーン₋15 ・ポリマー系紫外線吸収剤、紫外線をポリマー化(高分子化)しすることで経皮吸収を抑え、安全性を向上
・ポジティブリストで配合量に制限あり
UVB吸収

スキンケアやベースメイク、アイメイク、口紅等にも配合可能なものをピックアップしてご紹介しました。アイメイク・口紅等には配合禁止ですが、スキンケアやベースメイクには配合OKなものとして、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香へ軋る、ドロメトリゾールトリシロキサンなどがあります。

どの成分にもメリット・デメリットはあります。一つの成分でカバーするというよりも、いくつか組み合わせることで配合量を減らすことも可能。化粧品OEMメーカーと相談しながら、処方を考えていくのがおすすめですよ。

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2.物理的な仕組みで紫外線を反射・散乱させる「紫外線散乱剤」

成分 特徴 紫外線の種類
酸化チタン ・酸化鉱物であるチタン鉄鉱(イツメナイト)を細かく粉砕してつくる白色顔料
・白浮きしやすいので、微粒子酸化チタン(ナノ化酸化チタン)として使われることが多い
・配合量に制限なし
・低刺激性でアレルギーを起こしにくい
UVB〇/UVA▲
酸化亜鉛 ・酸化チタンに比べ、低濃度でも高いSPF、PA効果が得られる白色顔料
・透明性が高く白浮しにくい
・弱い収れん作用もあるため、ベビーパウダーの主成分にも使われる
・金属アレルギーがある方は、合わない場合もある
UVA〇/UVB▲

紫外線散乱剤のみを使用しているUVケア商品はよく「ノンケミカル」「紫外線吸収剤フリー」と表示されています。紫外線吸収剤は化学的に紫外線を熱エネルギーに変換するなどの処理をするため、肌を刺激する可能瀬があるため、敏感肌や小さいお子様には敬遠される場合も。

どなた向けの製品であるかを決めて、処方を考えていくといいですね。化粧品OEMメーカーと相談しながら、配合成分を決定するのがおすすめですよ。

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紫外線吸収剤・紫外線散乱剤それぞれのメリット、デメリットをまとめてみました

紫外線吸収剤と散乱剤それぞれのメリット・デメリット

前述した通り、紫外線吸収剤は肌を刺激する可能性がある成分。しかし、厚生労働省からポジティブリストで配合量の上限が示されている割合を守れば比較的安心して使えるかと思います。それぞれのメリット・デメリットをまとめてみました。

<紫外線吸収剤のメリット>

  • 透明なので白浮しにくい(厚塗り感がない)
  • 紫外線散乱剤に比べ、少量でも紫外線防止効果を発揮
  • 伸びが良くさらっとした使い心地

<紫外線吸収剤のデメリット>

  • 肌の上で化学反応が起きるため、刺激に感じる人もいる
  • 経皮吸収される可能性を米食品医薬品局(FDA)が示唆
  • サンゴの白化を促すとしてハワイなどでは使用禁止になっている

<紫外線散乱剤のメリット>

  • 肌への刺激が少ない
  • 環境へ負荷をかけない

<紫外線散乱剤のデメリット>

  • 白浮しやすい
  • 使い心地がなめらかになりにくい

どちらも一長一短あります。日常的な紫外線ケアなら高い防御力はいりません。この場合は、紫外線散乱剤をメインにしたUVケアを企画する。海や山などのレジャーで紫外線を浴びる量が増える場合は、紫外線吸収剤を組み合わせて企画するなど、工夫するのがベストですね。

特に紫外線吸収剤は熱エネルギーを出すため、肌を乾燥させやすい傾向が。UVケアと同時に保湿作用も考慮するのが大切です。また、「SPF」や「PA」の数値が高いものほど、クレンジング力が強いものが必要になります。この辺も考えて設計するようにしましょう。

化粧品OEMについて詳しく知りたい方、ロットや費用の相場感を知りたい方はこちらをご覧ください。
>>化粧品OEMとは?かかる費用や、OEMメーカーの選び方を徹底解説

▼参考文献
「美肌のために、知っておきたい 化粧品成分表示のかんたん読み方手帳」(発行:株式会社永岡書店)
「美肌成分事典」(発行:株式会社主婦の友インフォス)

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